ガンのでき方
"ガンは一日にして成らず"と、言いましょうか、発ガンも様々な段階を経ます。現在までにわかってきた、発ガンのステップを図示しました。まず、発ガン物質が正常な細胞を攻撃します。すると、DNAと呼ばれる細胞の核内にある遺伝子に傷が付きます。ふつう、その傷は修理されるか、遺伝子の壊れた細胞は排除されますが、何かの拍子で生き残り、遺伝子情報が正常細胞と異なった
細胞が出来上がります。ここまでの過程をイニシエーション(導入)と呼び、突然変異を起こした前ガン病変が出来上がります。ここに、プロモーターと呼ばれる細胞を増殖する物質が働き、遺伝子の狂ったガン細胞が爆発的に増殖してゆきます。この過程でも様々な遺伝子の狂いが重なってきて、正常の細胞とは見違えるほど醜く、核が大きくて不揃いな細胞たちが集団を作ります。