肝臓の働き、肝臓病とアルコール

合成機能
 
化学工場としてもっとも大切な働きは、体内の重要な物質を作ることです。体の中の様々な細胞は、最低限自分に必要なタンパク質や、その細胞を特徴づけるホルモンを作っています。例えば、膵臓の細胞がインシュリンや消化酵素を作ったり、筋肉の細胞が筋繊維の材料を作ったりするなどです。ところで、個々の細胞は独立して生きているわけではなく、寄り集まって人となっています。人間が寄り集まって、社会が成り立っているのと同じです。この社会全体に必要な物質を大量に作っている工場が肝臓です。血液内でもっとも多いタンパク質であるアルブミン、出血を止める糊である凝固因子、細胞膜や性ホルモン、ステロイドの原料になるコレステロールなどが主な製造物です。肝臓が傷むとこれらが不足して、細胞の社会(人体)が貧しくなり様々な不具合が生じます。
解毒機能
 
体内で解毒機能をつかさどっているのは肝臓と腎臓です。腎臓は物質をそのまま尿に捨てるだけですが、肝臓はそれを化学的に分解するなどして処理をします。赤血球の死骸由来のビリ

ルビン、タンパク質の老廃物であるアンモニア、大腸菌など腸に住んでいる細菌に含まれるエンドトキシンと呼ばれる毒素、そして女性ホルモンを含むステロイドホルモンが体内由来の物質として有名です。また、様々な病気で服用した、誤って飲んでしまった毒性のある薬物なども肝臓で分解処理されます。肝臓が傷むと毒物が貯まり、細胞の社会(人体)に公害が広がるわけです。
貯蔵機能
 肝臓は様々なものを蓄えています。主なものに中性脂肪やコレステロールなどの脂肪分、デンプン質であるグリコーゲン、赤血球の材料になる鉄分などです。栄養分の貯金がなくなるといざという時に無理がきかなくなります。また、押入がいっぱいになると、畳の上まで物があふれ、周囲の大切な部分が犯されます。米の備蓄が乏しくなったり、逆に米倉があふれて農民が豊作貧乏になるなど、貯蔵機能が犯されるということは、細胞社会に社会不安が高まった状態とも言えるでしょう。


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