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せん。このため筋肉は赤矢印の方向へ収縮し、緊張を強いられます。普段はあまり使わなくて済む筋肉が常に緊張させられると、筋肉のこりや痛みが生じます。腰が曲がっている方が肩こりや頭痛、腰痛を覚えるのはこういった理由です。 このような問題を起こさないようにするには、体の立て直しを行っている筋肉
に負担をかけないことです。具体的には、アゴを持ち上げるようなコルセットをつけること。また、図の上の筋肉に沿ってキネシオテープという、太く長く強い布絆創膏を貼って、頭を後へ引っ張り筋肉の仕事をコルセットやテープに肩代わりさせます。なお、胸にコルセットを巻くことも考えられますが、圧迫感が強くつらい場合もあります。
背中の曲がりと胃腸症状
左側は正常で右側は背中が曲がった状態です。左と比べ、右では肺(胸腔の大半)と、お腹の中(腹腔)のスペースが狭くなっています。このため深呼吸をしても十分肺が膨らまず、肺活量の低下による息切れのほか、お腹が圧迫され横隔膜の下の胃が、上の食道側に押し上げられ、食道裂孔が押し広げられるため、胃の上部が肺の方へ滑り出します。これを食道裂孔ヘルニアと呼び、胃液の防波堤だった裂孔や括約筋が働かず、食道粘膜が胃酸に曝されてただれる逆流性食道炎が起きます。前傾姿勢になると腹直筋がピンと伸びないでたるみ、力を入れても腸を押して便を絞り出すことができず便秘にもなります。以下は対策です。逆流性食道炎 体型的に、胃の圧迫を防ぐことは困難です。しかし、それ以外にお腹を圧迫するコルセット等は、腰の問題が少なければ装着時間を減らすことです。腰回りがきついズボンなども避けましょう。食べ過ぎや、ゲップの出やすいビールなども痛みを誘発します。 治療:ランソプラゾール等の胃酸分泌を抑えるPPIが中心です。便秘 少しでも腹筋を鍛えるか、ヘソから下へお腹を手で圧迫し、押し出すことは有効です。食物繊維の多い食事、砂
糖の代わりにオリゴ糖を使ったりヨーグルトも効果的です。 治療 酸化マグネシウムや食物繊維のバルコーゼなどが自然な下剤で、センナを使わないで出せれば上々です。つまったときは浣腸や強力レシカルボン坐薬で出しましょう。