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咳嗽反射:空気の通り道に異物が入ると、セキ込んで出すしかありません。この、"異物の気管内侵入→セキの動作"が自動的に起こることを咳嗽反射と呼びます。この反射は、異物の侵入を気管内の知覚神経が感じ、呼吸中枢へそれを伝え、自動的に喉頭の筋肉や呼吸筋が一致協力し、勢いのある呼気を惹起して、一気に異物をはき出すものです。これは自動的な防御反応なので無理矢理咳止めで止めるのは危険です。
さて、咳嗽反射=嚥下障害でしょうか?実は、咳嗽反射は嚥下障害以外にも唾液や鼻汁が気管に入ってしまうものも含まれます。唾液の分泌が多かったり、アレルギー性鼻炎で鼻汁が多いと、飲み込んだり鼻をすすったとき、誤って気管に入ってしまい咳を誘発します。鼻炎から来るムセは、繰り返すとぜん息に繋がり、呼吸困難が無いレベルの咳は、アトピー咳嗽と呼ばれます。
むせる原因のもっとも危険なものは嚥下障害です。その主な原因は、咽頭、喉頭、食道の腫瘍などの異物や炎症、そして嚥下を行う咽頭、喉頭の筋肉の障害、そして筋肉を操っている脳や末梢神経の障害です。
舌、口腔、咽頭、喉頭、食道の腫瘍 嚥下障害の原因となるものは腫瘍と言っても主にガンです。扁平上皮ガンと呼ばれるガンで、タバコのタールと関係が深く、喫煙者の男性によく見られます。
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嚥下の筋肉の障害 筋肉の特殊な病気、筋萎縮性側索硬化症などでは、自分の意志で動かすことのできる横紋筋の萎縮が全身に起こり食べ物が飲み込めなくなります。他の筋肉疾患による嚥下障害はまれで、次の脳・神経系の問題で筋肉が動かなくなる疾患が主流です。
脳・末梢神経の異常 脳梗塞などで嚥下を行う筋肉を操る脳細胞や、そこから末梢神経に続く通り道がやられる場合で、高齢者に最も多いパターンです。一般的に手足のマヒなどの症状に伴っていることが多いのですがハッキリしないこともあります。その他、甲状腺の腫瘍や肺のてっぺん付近にできる肺ガンなどで声がれを伴う嚥下障害を起こすことがあり、こちらは反回神経などのノドに働く末梢神経を腫瘍が冒した結果です。腫瘍を手術で切除することで末梢神経障害を取り除けることもありますが、脳梗塞では元通りにならないことも多く、嚥下のリハビリをやってもむせが治らない場合もあります。 さて、この咳嗽反射は体の防御反応なので、咳止めなどで無理に止めてしまうと吸い込んだ異物が肺炎の原因となります。このため、吸い込まないような食物や食べ方、リハビリが重要で、吸い込んでしまったときは上手に咳で出すか、周囲の人に背中を叩いてもらってはき出す操作が有効です。
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