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誤嚥は食道へ入るべき食物などが、気管に入ってしまうことです。気管は気管支~肺へつながっているため、誤嚥すると肺炎につながることもあります。しかし気管へ入った異物は、反射的に咳で咽頭へはき出されるため、元気であればそう簡単に肺炎になりません。この反射的な咳は、"むせる"とも表現されます。ところで、誤嚥の原因は食事だけではありません。薬の錠剤や散剤、普段気づかず何気なく飲み込んでいる唾液や鼻汁を誤嚥することもあります。これらはみな、セキ(咳嗽反射)でノドまで押し戻されますが、完全に戻らず気管支以遠にとどまってしまうと肺炎の原因になります。 肺炎は一般に細菌などの感染症とされますが、誤嚥の場合も例外ではありません。まれに、化学物質で気管や肺を傷めることもありますが、たいがい口の中の常在菌である肺炎球菌などが異物と一緒に紛れ込み、そこで増殖し肺炎を起こします。このため、誤嚥性の肺炎を防ぐためには、以下が重要です。 1)誤嚥を起こさない工夫をする 2)誤嚥してしまった時は速やかにはき出させる。
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3)常在菌を極力少なくするために、口腔内 を綺麗な状態に保つ。 4)主な常在菌を強毒性の菌からおとなしい菌に替え、吸い込んでも肺炎になりにくくしておく。 などです。誤嚥を起こさない工夫や食事の注意は後述しますが、誤嚥したものをはき出させるためには体を起こして背中をポンポン叩く(タッピング)ことが有効です。 口腔内を綺麗に保つためには、毎食後の歯磨きを丁寧に行い、食物の残りカスを取り除くことが基本です。これらが残ると細菌が群れをなす温床になります。また、うがいをしたり、口腔内の乾燥を防ぐことも大切です。そして、噛む、飲み込むなどの口の機能の訓練は、唾液の分泌を促し、乾燥を防ぐだけでなく、口腔内の余計なデンプン質の分解、掃除などにも役立ちます。 高齢者に推奨されている肺炎球菌ワクチンは、上気道の常在菌を強毒菌から弱毒菌に替える働きがあり、肺炎の予防に有効とされています。
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