2)腸の癒着と便秘 大腸ガンなどで腸の手術をすると、手術中にこぼれた血液や分泌物が吸収する過程で腸と腸、腸と腹壁がくっつく癒着が生じます。 大部分の腸はお腹の中である程度自由に動けます。食物やガスの状態に応じ、グルグルと動き回り、腸の内容物を消化したり、吸収しながら便を形作ります。この腸の自由な動きが制限されると、動くたびに腸や腹壁が引っ張られ、キリキリ痛みます。軽い痛みなら我慢できますが、癒着部を中心に腸がねじれてしまうと、血液が通わなくなり腸壁が壊死を起こして破れたり大出血を起こす場合もあり
ます。こうなるとまたもや手術をすることになったり、命にかかわることもあります。 癒着に伴い、強い痛みが出たり、腸のねじれ(腸捻転)が生ずる主な原因は、便通の異常です。便秘による便やガスの貯留が原因で、腸の内腔が広がることによって突っ張ったり蠕動運動の狂いが起こり発生します。下痢も同様です。 このため、便秘が起こらないように便を少し柔らかめに保ち、できるだけ毎日出るようにしておくことが大切です。下痢を起こさないように整腸剤や消化剤などで胃腸の環境を良くしておくことも有効です。
ダンピング症候群 大量の食物が急に十二指腸に入ると、迷走神経が刺激され、気持ち悪くなります。同時に一時的な高血糖になり、それを是正するため膵臓からインスリンが大量に分泌されて、低血糖になります。胃切除後の逆流性食道炎 胃を切除すると幽門括約筋も切り取られ、膵液・胆汁を含む消化液が残った胃から食道へ逆流します。この消化液は胃酸以上に粘膜障害性があるので強い胸焼けを起こします
脳卒中の後遺症
脳卒中には、血管がつまり脳の一部が酸欠で壊れる脳梗塞と、脳の血管が破れ、脳内や脳室に出血し、正常な脳の部分を血の塊が圧迫する脳出血やクモ膜下出血などがあります。これらによって脳の一部が壊れてしまうと、脳は皮膚や胃腸の粘膜と異なり再生しないので、その部分が受け持っていた働きができなくなります。 主な後遺症は、運動障害です。右腕や右足が動かなかったり、動きにくいなどです。脳卒中の程度や部位によって、あまり回復が期待できないこともありますが、多くの場合はリハビリテーションにより①脳の他の部分が代わりに働き筋肉の運動を司ったり、②他の動く筋肉が動かない筋肉の代わり
の役目を果たして、必要十分な動作ができるようになります。 筋肉や関節のじん帯や腱は、伸ばしたり縮ましてやらないと、すぐに固まって動かなくなります。これを拘縮といいます。また筋肉は使わないとあっという間に萎縮して細くなり、いざというときに力が入りません。 このため、脳卒中の後遺症でマヒなどの運動障害が起こった場合は、①できるだけ早めに、運動のリハビリを行う必要があります。また、②一度動きが良くなってもサボっていると、すぐ動かなくなるので、日常生活にもどってもきちんとリハビリをし続ける必要があります。
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