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我々の食べる食物は、主に3大栄養素であるタンパク質、デンプン質、脂肪でできています。このうちタンパク質は、細菌やウイルスと同様に、リンパ球を刺激し、各々のタンパク質に対する様々な抗体が作られます。このうちIgE抗体が、アレルギー反応と関係します。具体的にはできあがったIgE抗体が肥満細胞(好塩基球)に結合し、次にそのタンパク質と遭遇すると、抗体のタンパク質と結合する部位(Fab部分)で、それを捕まえ、肥満細胞にその情報を伝えます。それから先は前述のように肥満細胞からヒスタミンやセロトニンなどのアレルギー症状を発現する物質の放出がおこり様々な反応につながります。 ところで、この食物アレルギーを獲得するルートは3つあります。 経口免疫反応が起こらない 仕組みの誤作動 食物のほとんどが、人に必要なもので、それに対していちいち免疫反応が起こっていては、食べるものがなくなってしまいます。このため、口から入ったもののほとんどに対し、免疫担当細胞は、食物を見逃す
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おおらかな態度を示します。これを"免疫寛容"と呼びます。この免疫寛容が働かないと、大切な食物に対しアレルギーを起こすようになります。免疫寛容は、小腸などの粘膜のバリアや、いったん腸管から血管に入った物質を最初にトラップする肝臓でおきています。 皮膚から侵入した物質で 食物アレルギーが 食物アレルギーは食べたものでアレルギーになると思われがちですが、最初のきっかけは皮膚でのアレルゲンとの遭遇である場合もあります。有名なのは、「加水分解コムギ」という、コムギから作った添加物の一種です。これらは、食品のみならず、化粧品や石けんの配合剤として使われ、様々な形で皮膚に接触します。この物質によってアレルギーを獲得する(感作される)と、その後コムギを含んだ食品を食べた際、急性のアレルギー反応が出ることがあります。 花粉を吸って果物・野菜アレルギーに シラカバやスギの花粉を吸って、花粉症になった方が、果物や野菜のアレルギーになることがあります。これは、花粉のアレルゲンと果物などの成分が類似しているため、類似の物質に対し本来花粉に反応するIgEが誤って結合し(交差反応)、その後は普通のアレルギーと同じルートに乗って症状が出るものです。アレルギーの反応は、主に果物や野菜が最初に接する場所である、口の中にでます。口の粘膜のかゆみや違和感、唇のはれなどです。これらは、もともとのアレルゲンの違うものに間違って反応するため、加熱してほんのちょっとアレルゲンの立体構造が変化すると反応を起こさずに済みます。
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