すこやか生活

ロコモーティブシンドローム

 超高齢化社会が進みつつあり、中高齢者の方々がこぞって後期高齢者になっていく時代です。今まで医療の中心的だったガンや生活習慣病だけでなく、高齢に伴い生活を脅かす心身の不具合がクローズアップされてきました。これらの不具合は、本人だけでなく高齢者を介護する家族や地域のコミュニティ、そして介護施設でも大きな問題になっています。この不具合のうち主な2つが、アルツハイマー型認知症とロコモーティブシンドローム(ロコモ)です。アルツハイマーは言わずと知れた、脳の機能低下による、記憶力や認識力、判断力の低下です。後者のロコモは、加齢による運動機能障害です。脳(心)と体(身)のどちらが衰えても人間としての生活の質が落ち、自立生活が困難になります。今回は、2つのうち運動器障害により介護が必要になるロコモ

を取り上げ、少しでも質の高い生活を続けるためにどうしたらよいか考えてみましょう。
 ロコモは一つの疾病概念ではありません。病気と言うより、要介護となったり、介護度が上がる原因となる現状に気づくきっかけになるものです。具体的には、①骨折をおこしやすい骨粗鬆症、②膝や股関節の軟骨などの傷害で起こる変形性関節症、③腰椎周辺の問題で起こる、椎間板ヘルニアや、脊椎管狭窄症が原因となって生じる座骨神経痛などの末梢神経障害が、ロコモに陥る3大原因です。もちろん使わないことによって起こる筋肉の廃用萎縮や、50肩の様な筋肉の障害など、運動器の機能障害全てを含みます。具体的な全体像は図のとおりです。全体のイメージをつかみましょう。






ロコモの概念図

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