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鎌倉市大船 山口内科 

妊娠・出産と薬の基本

 妊婦さんや新生児のお母さんも、他の方と同様に、病気にかかります。そこで、元々かかっている病気、新たにかかった病気に対する治療をどうするのかが問題になります。薬はどれも副作用が出る可能性があるので、胎児や母乳を飲む赤ちゃんに何かあっては責任を取れないとの理由で、厚生労働省は「あの薬もダメ、この薬もダメ、その薬もダメ。」と、指定しています。このため、薬の本には使ってはいけない薬や、控えるべき薬のオンパレードで、いざというときに妊婦さんやお母さんの治療がしづらくて仕方ありません。こんな指定は"無責任は責任逃れ"と言えるでしょう。インフルエンザの予防注射なども同様です。近年、手詰まりなこの状況を何とかすべく、アメリカFDAの基準を使ったり、様々な臨床のデーターを解析し、現実に沿った薬の使用が広まりつつあります。まずは一般的な考え方を整理します。
妊娠時の薬の基本
 妊娠は①受精→②細胞分裂が進む→③子宮への着床→④各臓器の原型ができる(器官形成)→⑤

胎児の成長→⑥出産の順で、進みます。妊娠は月経が予定通り来ないことから発覚することがほとんどなので、最後の月経の初日がスタートの0日となります。その4週間後以降、つまり5~6週目頃に初めて気づきます。このころになると、尿検査で妊娠反応が陽性となり、GSと呼ばれる胎嚢が、エコー検査で確認できます。その後、7~8週目あたりまでに心臓などの重要な臓器が発生し、15週くらいまでに臓器はおおよそ完成して一段落します。この4~15週、特に4~8週くらいが最も外部からの影響を受け、奇形などの問題が起こる時期です。ここをクリアすると、催奇形性の心配がなくなり、その後は授乳を含めて、薬自体の毒性が問題になってきます。したがって、a)妊娠初期の15週、とくに8週頃までは奇形を起こす薬を避けること。そして、b)16週以降は胎児や赤ちゃんに負担をかけない薬を選ぶという方針です。奇形を起こす可能性の比較的高い主な薬を表に列挙します。これらの薬は、妊娠がわかったら即座に中止

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