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腎臓の障害はいたくもかゆくも無いため、当初は無症状です。障害が進んで前述の機能が果たせないとき浮腫や貧血、高血圧などの症状が表に出てきます。これらが出る前に問題を発見するためには以下の検査が大切です。 一般に尿中のタンパク質、糖、潜血そして肝臓の指標のウロビリノーゲンやビリルビン、膀胱炎の指標の白血球や亜硝酸塩などは尿のテープで簡単に調べることができます。 A)尿タンパク(アルブミン) 前述のように腎臓のろ過機能がちゃんと働けば、アルブミンを含む主なタンパク質は尿にほとんど出てきません。小さなタンパク質は一度ろ過されますが、ほとんど尿細管で再吸収されます。 タンパク尿が出てくると言うことは、①糸球体という腎臓のフィルターが機能せず、分子量7万という大きなタンパク質が漏れ出てしまう場合、②漏れ出たタンパク質を尿細管が十分吸収できない場合が考えられます。②はまれなため、尿タンパクが出るのは、腎臓の最も大切なフィルター部分に傷を負ったイメージです。なお、タンパクといっても雑多なものが含まれるため、微量でも検出可能な尿中アルブミンが、糖尿病性腎症などの早期発見に利用されています。 B)尿潜血 赤血球の有無を確認し、肉眼で見えない少量のものでもテープで確認できます。血液は、糸球体に傷が入り、赤血球(細胞成分)ごと尿細管に出てくるほか、腎盂、尿管、膀胱、尿道など尿の通り道のどこに傷が付いても赤血球は尿に混ざり得ます。 C)尿沈渣
尿中のカスを顕微鏡で確認する検査です。肉眼的に透明な尿ですが、赤血球など細胞ほか、尿酸やリン酸塩の結晶が混ざっていた
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り、円柱という尿細管出口の集合管の型にはまって固まった、ところてんの切れ端のようなものが混ざっています。尿に円柱があり、それに赤血球が混ざっている場合は、集合管より上流から赤血球が流れてきて固まったことを示すので、尿潜血の原因として糸球体付近の障害が予想されます。 D)クレアチニン(血中) 血液中のクレアチニンは、筋肉の運動エネルギーのクレアチンの分解産物で、尿素窒素や尿酸と同様に老廃物として尿に出てきます。クレアチニンの産生は筋肉量に相関し、安定しているため、腎からの排泄が順調ならば血液中の濃度も一定しています。これが血液中に滞るということは、老廃物の排泄が上手くいっていないこと示すので、腎の排泄機能、特に糸球体でのろ過量を見る指標として利用されています。ただ、糸球体のろ過量(GFR)が50%以下にならないと異常値を示さないので、次のCcrが糸球体機能障害の鋭敏な指標として用いられます。 クレアチニン 男性…0.5~1.1mg/dl 女性…0.4~0.8mg/dl E)クレアチニンクリアランスとeGFR 前者は、一定の時間に血液中のクレアチニンが尿に排出されたか見る指標で、糸球体からこし出された、水分量(糸球体ろ過量)を示します。Ccrと呼ばれ、腎障害の程度を見る指標として重要です。 近年、腎臓病の早期発見が叫ばれ、簡易指標として、eGFRも使われます。 推算糸球体ろ過量(eGFR) =194 X cr(mg/dl)-1.094 X 年齢(才)-0.287 (女性はさらに X 0.739) 正常値は、100ml/min以上です。複雑ですが、eGFRで検索すれば、様々なサイトで計算してくれます。
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