生活習慣の見直しで血圧を下げる

 悪い生活習慣は、血圧を上げる原因です。塩辛い食事、運動不足や食べ過ぎによる肥満、飲酒、喫煙など、高血圧に悪い生活習慣は枚挙にいとまがありません。この一つ一つを改善することによって、軽度の降圧効果が期待できますが、いくつも抱えている方が一挙に改善すると予想以上に血圧が下がる場合があります。薬を減らしたり止めたりできる可能性があるため、諦めずに良くない生活習慣を正してください。
1)食塩制限
 石器時代の人類は、一日0.5~3gの食塩しか摂取していませんでした。犬やネコなどの動物や家畜も同様です。日本人は一日平均11~13gほど摂取しています。以前に比べると減ったとはいえ、目標の1日6gのほぼ倍摂っています。半分にするには本当に味気ない食事をとらなければなりませんが、コンチネンタルブレックファストや昼食の塩分をほとんど抜いた食事(パンやおにぎりにサラダだけの昼食など)にすると、比較的達成が容易です。なお、肉食を減らし、野菜や果物の多い食事がよいでしょう。

2)減量
 BMI(体重/[身長m]2)が25kg/m2以下が目標です。ちなみに標準体重のBMIが22なので、その10%増し程度です。これが達成できなくとも、5kg程度の減量ができれば、平均3-4mmHg程度の降圧効果が期待できます。
3)運動
 有酸素運動は、体重や体脂肪の低下のみならず、血圧の低下も期待できます。連続して10分程度の運動を一日あたり、合計30分、行えれば上々です。心臓に不安のない方は、是非とも始めましょう。
4)節酒
 アルコールを飲むと、その瞬間は血管が拡張するので一時的に血圧は低下しますが、長らく大量に飲んでいると、徐々に上がって高血圧が固定します。
5)禁煙
 たばこを一本吸うと、その後15分間ほど血圧が上がるとされています。これは、短期的な反応ですが、長年の喫煙によって動脈硬化が起こるため、長期的にも血圧が上がります。一人で禁煙できない場合は、チャンピックスやニコチネルTTSによって楽に禁煙が可能なため、医療機関にお問い合わせください。






血圧の考え方 血圧の測り方| 高血圧治療の方針 |
高齢者高血圧の考え方 | 生活習慣の見直しで血圧を下げる