上手な薬の使い方

1.いつから使うか?
 "花粉飛散予測の2週間前から飲み始めましょう"などという話がまことしやかに言われています。しかし、同じ量の花粉が飛んでいても人によって症状の出る時期や出方が異なるため、適切な指導とは言えません。そこで花粉のシーズンに「
カゼをひいたかな?」と思ったときが始め時と考えればよいでしょう。この「カゼをひいたかな?」を逃してしまうとズルズルこじらせて、副鼻腔炎を併発して熱が出たり、ぜんそくまがいの症状へと進みます。そこで、鼻炎の症状が出始め、こじれる前に薬を始めるのがポイントです。
2.毎年同じ薬でよいのか?
 花粉の飛散量によって症状の出方や強さが異なります。そこで、飛散量に合わせ、薬の種類や量を選ぶなどして、その年の状況に応じた薬の選択が花粉治療のコツです。また、同じ年でも初期は症状が軽く次第に症状が強くなり、最後は軽くなって終わります。そこで、ワンシーズンでもメリハリをつけた薬の用法が、煩わしい時期を快適に過ごすポイントです。特に飛散量の多い年は薬を飲んでいるのに思わぬ合併症が起きます。現在の薬の効果が甘いと感じたり、今ひとつの場合は、その旨を必ず主治医に報告し、見直してもらいましょう。

3.毎日飲まなくてもよいのか?
 ほとんどの薬は数時間~1日たつと効果が消失するように設計されています。従って、
処方どおりきちんと使用するのが基本です。ただ、飛散のごく初期や終末期には、飛んだり飛ばなかったりする日もあるため、この時期には人によって、使用しなくても大丈夫なこともあります。
4.症状が強い場合多く飲んで大丈夫?
 薬は使ってよい量が決められています。自己判断で増やすことは副作用を招く原因になりますので厳に慎んで下さい。一般に量を増やすのではなく、薬の種類を換えることで解決可能です。利きが甘いと感じたら、まずは医師に相談下さい。
5.風邪薬と一緒に飲んでよいか?
 花粉の時期はインフルエンザなどの風邪が流行る時期でもあります。花粉症の薬を飲んでいるとき風邪かなと思う症状が出ても総合感冒薬を飲んではいけません。理由は、総合感冒薬には花粉症の抗ヒスタミン剤と似た成分が含まれているため、薬効がかぶるからです。インフルエンザは直ぐに診断可能です。他の風邪の多くは花粉症が崩れたものなので、まずは風邪の正体がとちらかを確認することかが大切です。なお、頭痛薬や、熱冷ましの併用は問題ありません。






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