鼻カゼと呼ばれるアレルギー

 インフルエンザを除くと、「カゼをひきました。」と言って来院される方の多くは、いわゆる鼻カゼか、そのこじれたものです。そしてカゼの主力である鼻カゼの正体は、アレルギー性鼻炎です。アレルギー性鼻炎とは、「発作性・反復性のクシャミ、水様性鼻漏(鼻水)、鼻閉をおこす、急性のI型アレルギー疾患」と、定義されています。具体的に言うと、ホコリやスギ花粉、ネコのふけ、冷気など、アレルギーの刺激を鼻に吸い込んだ結果、クシャミが突然、かつ、繰り返し出たり、水っ鼻が垂れ、鼻がつまることです。
 アレルギーですので、高熱が出ることはまれですが、こじれると副鼻腔炎や中耳炎に進み、発熱したり、ノドへ垂れた鼻水(後鼻漏)を吸い込んで、ぜん息や気管支炎、肺炎を起こす場合があります。
 以上より、鼻カゼと言ってバカにするとひどい目に遭うことがあるので、適切な対応が必要です。 具体的には、

①原因となる花粉やアレルギーの材料を吸い込まない対策
②悪化する時期や時間を知り、必要に応じた薬を使うこと
③普段から、鼻づまりの原因となる飲酒や肥満を避けること
④過去を振り返り、医師と相談の上、自分の体質を知ること
⑤自分の体に起こっている変化に気を配ること  
などです。
 アレルギーの原因は血液検査の
特異IgE検査で確認したり、「カゼだと思っていた鼻炎」が出る時期を年間を通して振り返るとわかってきます。わからないときは、かかりつけ医に聞いてみると、いつ頃どんな状況で来院したか教えてもらえるでしょう。お薬手帳もアレルギーの時期を知る、有用な情報源です。鼻カゼは誰にでも起こるありふれた病気です。その対応いかんでは、日常生活の質に大きな差が生まれます。今回は花粉症を通して、アレルギー性鼻炎について考えてみましょう。






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