身体機能の維持と修復

 大病をされたことのある方は、経験済みでしょうが、人は数日病気で寝込んだだけで、立ち上がるときにふらついたりめまいがするものです。たった2日間、インフルエンザで寝ているだけでも同様な経験をされたことがある人もいるでしょう。その後、体がシャンとするのには、寝ていた日数の3倍くらいかかったりします。
 人体のパーツは、使わないとほんのわずかな日数で体を動かす原動力となる筋肉が衰え(廃用萎縮)、可変部の関節が固まって曲がらなくなります(拘縮
こうしゅく)。そして、廃用萎縮や拘縮が起こると一気に身体機能が低下し、よく転ぶようになって、ますます体の働きが衰えます。高齢者は、この繰り返しで寝たき

りになり、若い方は病後の社会復帰に苦労します。
 身体機能を体調が良いときの状態で維持し、また、一度機能が低下したときにそれを取り戻すことは、よりよい生活レベルを保つために重要です。特に、身体機能低下を回復させることをリハビリテーション(リハビリ)と呼びます。リハビリテーションは、運動機能の低下だけでなく、感覚機能(視聴覚ほか)、知的機能、精神機能そして社会機能の低下を修復する場合にも使われます。
 機能の維持と修復は、自立した人間生活のためになくてなりません。今回は、このリハビリについて考えてみましょう。






身体リハビリの分類

体のパーツを訓練する(理学療法)
 足なら太股の筋肉やふくらはぎの筋肉を鍛えたり、膝の関節を伸ばしたりと意図的に体の部分を動かし鍛えていくことです。屈伸や、学生時代にやった腕立て伏せ、腹筋などもこの仲間です。筋肉の運動としては強く、無酸素的な運動です。
一連の動作を滑らかにする(作業療法)
 筋肉を鍛えた後は、実際の日常生活の練習に入ります。一つのまとまった動作や作業をスムーズに行う能力を養うリハビリです。歩行練習、ボール投げ、折り紙、箸でつまむなど、日常生活の動作は何でも作業療法の対象となります。口や舌の筋肉が麻痺した人がしゃべる練習をするのも、この一種です。

物理療法
 運動以外の物理的な力を借りて体の痛みを取ったり機能回復を図るのが物理療法と呼ばれるリハビリです。具体的には、低周波など電気をかけたり、赤外線やホットパックで温めたり、マッサージをしたり牽引したりすることです。リハビリというとこの物理療法と思っている人が多いですが、痛みが一時的に取れるものの筋力や体の機能が完全に元どおりになるわけではないので、身体機能が低下した方は、理学療法や作業療法を組み合わせて行うことが大切です。

身体機能の維持と修復 身体のリハビリ分類
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リハビリの目標設定
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具体的なリハビリ法1 廃用萎縮の予防と解決策 |
具体的なリハビリ法2