1)おたふく風邪(流行性耳下腺炎)
 耳の後下部が腫れて顔がゆがむ、おなじみの病気です。ムンプスウイルスに感染し、2~3週間の潜伏期を経て、熱と耳下腺の腫れがでます。子供の時にかかると一生免疫がつくと言われていましたが、必ずしもそうではなく、大人になってから再度感染することもあります。実際、お孫さんにうつされたという70歳代の患者さんもいました。以前は、麻疹や風疹と一緒のMMRというワクチンが小児に接種されていましたが、最近はおたふくのムンプスだけ外れ、MRとなったため、お子さんの接種率がめっきり下がり、数年ごとに流行を繰り返しています。特別の治療が無いため、耳下腺の腫れがひく7~10日間ほどは人にうつさないよう自宅療養に努めます。
 酸っぱい食べ物や、よく

噛まなければならない食品は、唾液腺である耳下腺に負担をかけ、痛みを助長するため、あっさりして柔らかい物を食べましょう。熱や、耳下腺の痛みに対してはNSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛剤が有効です。
 思春期以降の男性がおたふく風邪にかかると、30%ぐらいに、精巣炎を併発し腫れて痛みます。このため、男性不妊の原因になるとされてきましたが、実際にその頻度は多くありません。
2)水ぼうそう(水痘)
 水痘帯状ヘルペスウイルスに感染して起こります。水ぶくれにウイルスがいて、ほんのわずかのウイルスが皮膚についただけでも感染し、家族内感染は90%にも及びます。発熱とともに、全身に紅斑がでます。徐々に水疱となり、熱が下がってから水疱はかさぶたとなってはがれます。この

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