もう一度、小児の感染症

 近年散発的に、風疹や麻疹(はしか)が流行し、マスコミを賑わすことが増えました。水ぼうそう(水痘)や、おたふく風邪(流行性耳下腺炎)など、子供時分にかかっているので、大人には関係ないと信じられていた病気にかかる方もいます。大人といっても20代や30代のみならず、60代、70代で発症している方もいます。感染してから1~2日で発症するインフルエンザなどと違って、これらの感染症は潜伏期が長く、概ね2~3週間です。
 感染の予防には、弱毒化生ワクチンの接種が行われています。これは、生きているウイルス株を上手に育て、病気を起こしにくい性質のウイルスに改良したものをワクチンとして注射するものです。接種によって、病気は起きないものの、生きたウイルスには感染するので、強い免疫反応

が起こり、抗体などの防御機構ができて、2度目のウイルスとの遭遇の際に備えることができます。3回も4回も注射してやっと免疫が付く不活化ワクチンに比べ、強い免疫が付くため、子供の頃に予防接種をしたり感染・発病すると、その後は二度と発症しないと信じられてきました。しかし、たとえ強い免疫が付いても、長い時間が経つと、人の体は免疫の記憶を忘れてしまうようで、近年は2度目の感染・発病や、予防接種をしたのに発病する事例が増えています。
 このようなわけで、小児の主な感染症は子供だけの問題ではなく、青年や壮年、高齢者も人ごとではありません。そこで、これらの病気がちまたに流行っている時は、必要に応じて予防接種をしておくと良いでしょう。家族にうつしてはいけない人がいる場合は特にです。






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