水分の入り
 飲んだ水や、食物に含まれている水分2ℓに加え、唾液(1.5ℓ)、胃液(2.5ℓ)、胆汁(0.5ℓ)、膵液(1.5ℓ)、腸液(小腸からの消化液1ℓ)などの消化液7ℓの計9ℓが小腸に入る水分です。このうち大腸まで達するのが1~2ℓ程度なので、およそ7ℓが小腸で吸収されます。また、残りの水分も大腸で90%が吸収され、かゆ状の便が形のある便として排便されます。
塩分の入り
 塩分もそのほとんどが小腸で吸収されます。小腸の病気や短縮手術で切り取った場合、塩分の濃く浸透圧の高いかゆ状の便が大腸に流れ込むため大腸でそれを処理できず下痢になります。酸化マグネシウム(マグラックス)などの塩類下剤は、小腸で吸収しにくい塩を摂ることによって、大腸に入る便の浸透圧を上げ、柔らかい便にすることをもくろんだ下剤です。
 
Naは主にNaCl(食塩)で摂取されます。日本人は一般にNaClを一日あたり、12~15g摂取していますが、推奨されるNaCl量は、健常人で一日9g/日未満、高血圧の方は6g/日未満が望ましいとされています。なお食品の表示ではNa1.2gなどとかかれたものがありますが、Na単体を食塩に換算すると、1.2g×58.5÷23=3.05gとなります。こんな食品は、塩分がたった1.2gしかないと思って食べた後、よく調べると3.05gもの塩を食べていたという笑えない話になります。食塩ではなくNaで表示した食品は塩分が高いものが多く、錯覚しないよう気をつける必要があ

ります。
 
K単体の必要量はおよそ2.0gから2.5gほどです。
水分の出
 水分は、尿、呼吸と蒸発、排便、汗などとして体から出ていきます。およそ尿が1500ml、呼吸と蒸発で700ml、便で100ml、汗が100ml程度、都合2400mlほどです。尿は排出される水分の5/8と半量以上を占め、気温や湿度など環境で運動量が変わらないなら、呼吸、汗や便の量は一定であるため、体の水分の調節は尿で行われていることになります。
 さて、血液は全身を巡っていますが、腎臓を通るとき、糸球体というフィルターを通って、水の多くが一度尿細管側のボーマン嚢へ出ます。これがおよそ1日あたり150ℓです。ろ過された液体はとても薄く、原尿と呼ばれます。自分の体重のおよそ3倍の水が一度、血液の外側に出てしまうわけです。しかし、その99%が尿細管で再吸収され、1日の尿量は1.5ℓ程度となります。
塩分の出
 水分と同様にNaやKも一度原尿にこし出されます。食塩換算するとNaは、その量なんと1500gにも及びますが、こちらも同様に99%以上吸収され、最終的に9g程度尿に排泄されます。そして、ごく一部は汗をかいたとき塩をふく形で皮膚から排泄されます。
 Kも、Naと同様、原尿に血液中濃度に比例する量が排泄され、そのほぼ100%吸収されます。その後、尿細管で再び分泌されNaに近い量が尿に排泄されます。  






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