背中の曲がりと姿勢の問題

さて、図のようにまっすぐな人は、立つ姿勢もまっすぐで、骨という強い支柱に背体重を乗せることができるため楽な姿勢で立つことができます。背中や首がまっすぐなだけではありません。骨盤から下の足もまっすぐです。
 ところが背中が曲がると、後ろへ反り返らなければ前がみえません。重い頭を首の後ろの筋肉で引っ張り、頭を立て直すためには力が必要で

す。その上、前屈姿勢を立て直し、腰でもバランスを取るため骨盤をやや後ろへ振ります。こうして背骨全体を少しでも立てようとし、背筋を伸ばす努力をします。すると図のように大腿骨が骨盤から前へ向く姿勢となり、それを修正するために膝を曲げてバランスを取らざるを得ません。図には、体を支えるための力の向きと、筋肉の収縮する方向を書き加えました。






1)肩コリ・頭痛
 肩コリは一般に僧帽筋など首の後ろから肩胛骨や背中についている筋肉の疲労や傷害です。また、頭痛の90%程度は、首や頭蓋骨に巻き付いている薄切りロースのような筋肉のコリが原因です。重い頭を図のように後ろへ後ろへと支えようと筋肉が常に緊張するので、慢性的な肩コリや頭痛を覚えます。その上、このコリや痛みは姿勢の問題なので、なかなか解消できません。
2)腰痛
 肩こりや頭痛と同様に体を支える腰の筋肉も大きな負担がかかります。加えて、背骨と背骨の間のクッション(黄色)である椎間板に対する体重の載り方もまっすぐな背骨

と違って不均一になるため、クッションもつぶれやすい場所ができます。力のかかり具合が不均一でつぶれやすいのは椎間板だけではありません。背骨(胸・腰椎)にも圧力がかかり、益々圧迫骨折も進みます。
3)足の負担と衰弱
 前後の姿勢のバランスを取るため、膝を少し曲げざるを得ず、余計な力を入れることになり足の様々な筋肉が疲れます。この姿勢ではしバランスが崩れただけで転びやすくなるため、骨折起こしやすくなります。こうして足が弱り、徐々に歩くのがおっくうになり、歩かなければ歩かないほど、歩けなくなってしまいます。

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