膝の変形性関節症

 高齢化の進行とともに増加している問題で、骨粗鬆症、腰部脊椎管狭窄症と並ぶロコモの3大主因の一つです。股関節、膝関節は全体重がかかるため、障害が起こると歩けなくなります。加齢の他、体重増加、筋力の低下、ケガなどが障害の原因です。関節は上下の骨の他、クッションとしての軟骨、骨を結び固定するサポーターとしてのじん帯でできています。軟骨がすり減るなど、骨以外も含めた問題が起きているのが膝の関節症です。最初は立ち上がり、歩き始めに膝の痛みが出て、運動や長時間の歩行が困難と

なります。無理に我慢していると膝に水が貯まり曲がらなくなります。痛みが強くなると、歩行や階段昇降が困難になります。通常レントゲンで診断しますが、軟骨のすり減りなどはMRIで確認します。
治療)寝たまま足を太ももで水平に持ち上げる運動が有効です。毎日1セット20回を数回行い、大腿四頭筋の筋力を鍛えましょう。その他は整形外科的なリハビリや痛み止めの内服、膝への注射などが一般的です。これで治らない場合は手術となります。


骨粗鬆症と骨折

 今まで何度か取り上げた、骨がもろくなる骨粗鬆症は骨折の最大の原因です。股関節や足の骨が折れると体の動きが極端に制限されます。加えて折れた骨がくっつくまでの時間に足の筋肉が弱り、治った後に相当頑張って筋肉のリハビリをしない限り、元の運動能力は戻りません。骨折は何も手足だけではありませ

ん。背骨がつぶれる胸椎や腰椎の圧迫骨折も脊椎管狭窄症の原因となったり背中が丸くなることで前後のバランスをとりにくくなります。女性は閉経付近から、男性は定年退職する頃から自分の骨の健康に気を配り、骨粗鬆の予防をしましょう。運動、栄養やダイエットがポイントです。

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