食習慣の変遷

 下のグラフは、3大栄養素の摂取率と総カロリーを示した国民栄養調査の結果です。昭和30年代以降の急激な食生活の欧米化に伴い、脂肪の摂取率が3倍以上に増えたことが注目されます。これに加え、タンパク質の摂取率が20%程度増えています。これらの食生活の変化に伴い摂取エネルギーが増えていると思いきや、一時的に増えているものとなんと30年前とさほど変化がありません。ところが近年、お腹が出ている人が激増し、数年前から特定検診で国もメタボ撲滅に舵を切りました。
 摂取カロリーはあまり変化が無いのに日本人のお腹が出てきたのは、食事だけ

で説明すれば脂質の摂取量が増えたことが原因でしょう。しかし、それでは物理学のエネルギー保存の法則に反してしまいます。おそらく食事の摂取カロリーの微増に加え、絶対的な運動量が不足したことが最も大きな原因でしょう。昔は、車や便利な道具が無かったので、人々は肉体を使って移動したり仕事をしていました。現在は便利で楽になったため体を動かす機会がめっきり減りました。なければ食べる量を減らせば良いのですが、豊かな現代ではそうも行きません。そこで豊かな食生活を楽しみながら健康な生活を送るために必要なことは…運動です。






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