3大栄養素はなぜ美味しい?
糖は甘いため、これを多く含む果物やお菓子はとても美味しく感じます。この糖はそのまま吸収され即座にエネルギーとして利用されます。でんぷんはだ液のアミラーゼや胃のマルターゼという酵素で消化され、糖に分解されてから吸収されます。パンなどでんぷん質の食品を口の中で噛んでいると甘くなるのは、糖に分解されて甘みが出るからです。 脂質は糖やでんぷんより消化されにくいのですが、脂質を含む食品は1gあたりのカロリーが高いため、少し食べるだけで効率よくたくさんのエネルギーを摂取できます。油炒めやバター、牛乳など油を含む食品を美味しく感じるように人は生まれながら人や動物は高カロリーの食品を好むようインプットされているからです。ただ、こればかり食べると分解の手間が大変となり消化不良でお腹をこわします。 タンパク質を作る単位物質のアミノ酸は、味の素やダシの成分であるうま味です。タンパク質そのままだと、うま味はありませんが、火を通したり、干物や薫製にすると分解してうま味の素であるアミノ酸になります。締めて短時間おいた刺身が活き作りより美味しいのも、タンパク質が自然分解して一部アミノ酸になるからです。 このように、3大栄養素はどれも食べ物のおいしさを決める重要な要素となっています。また、体に必要な材料なので、食べたい、美味しいと感じるように、人の脳のDNAに組み込まれています。これが、3大栄養素を美味しいと感じる理由です。
|