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「栄養を摂らなきゃ!」。これは、昔から元気を保つ秘訣のように考えられてきました。事実「タンパク質が足りないよ」という栄養ドリンクのCMが全国放送で流れたお陰で、私の頭の中にも"タンパク質が不足すると大変だ!"という、強迫観念が植え込まれているようです。 しかし世は、メタボ対策のダイエットが健康増進の柱になる時代です。今回は、栄養の基本をおさらいしておきましょう。 3大栄養素とは、「タンパク質」「脂質」「炭水化物」です。これらは、体の中で様々な働きをしますが、ひとくくりにされる共通の性質は、どれも体を動かすエネルギー源になることです。その他、ビタミン、ミネラル(電解質=塩など)を含め、5大栄養素と呼ばれることもありますが、まずはこの3つを確認しておきましょう。 1:炭水化物 でんぷん質や糖分 炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つの元素からできている物質です。ブドウ糖や果糖、その2つが結合した砂糖などの小さな糖と、糖が数十個数百個つながったでんぷん質の2種類があります。小さな糖は体の細胞の中に簡単に入れるため、体内の各細胞、細胞の集合体である筋肉などで最も利用しやすいエネルギーとして使われます。糖がたくさん含まれている食品は砂糖(サトウキビ)、果物などです。 糖がつながった鎖状のでんぷん質は、構造的に頑丈です。このため、エネルギーとして利用される際には、糖よりワンクッション余計に胃腸での消化を経て、糖に分解されてから使われます。また、細胞の壁などの構造材として利用されたり、保存の利くエネルギーとして、エネルギー需要の高い筋肉や肝臓に蓄え
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られます。エネルギーとして利用されるでんぷん質はお米、麦(パンやうどん)、そばやトウモロコシ、イモに多く含まれています。構造材としてのでんぷん質は、食品では野菜、海草、こんにゃくなどに含まれるセルロースやマンナンが代表で、人間の消化酵素で分解できないため、食物繊維と呼ばれています。食物繊維は食べてもエネルギー源にはならず、そのまま便に出てくるため、便秘薬としても使われています。エネルギー消費が大きい筋肉と肝臓(化学反応に利用)では、脂質より利用しやすい動物性のでんぷん質としてグリコーゲンが貯蔵され、急にエネルギー需要が増えた時にこれを分解して対応しています。 1gあたりのエネルギーは約4kcal(カロリー)で、糖は使いやすい小銭入れのコイン、でんぷんは札入れの1万円札のような存在です。 2:脂質 いわゆる油です。炭水化物同様、炭素(C)、水素(H)、酸素(O)の3つの元素からできていますが、ほとんどが炭素と水素なので、お水(H2O)との相性が悪くお互いはじき合います。炭水化物と比べて炭素(C)の割合が倍以上なので、燃えると炭水化物の2倍以上のエネルギーを発生し、エネルギーを蓄えるのに適しています。このため、動物では皮下脂肪や受精した細胞が育つのに必要な栄養を蓄えているトリや魚の卵に豊富です。植物では、菜種、ピーナツやアーモンドやゴマなど、こちらも動物の卵と同様に次の世代を芽生え育てる働きを持つ種に豊富に含まれます。
エネルギーを蓄えるため
(2ページへ続く)
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