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せっかく肺胞近くまで吸い込んだ空気ですが、そこから血液中にうまく取り込めなければ元も子もありません。でも、実際このような場合があるのです。酸素は終末細気管支→肺胞→間質→赤血球の酸素はしみ込んでいきます。ところが肺胞が水浸しになったり、痰や膿が溜まっているとそこまで空気が入りません。また、肺胞まで空気が入っていても肺胞から血管に至る間質がむくんでいるとなかなか酸素がしみ込んでいきません。そして、いったん血液中に酸素が入っても上手に赤血球のヘモグロビンと結合しなければ、体の隅々まで酸素はゆき渡りません。これらの状態に陥っている方は呼吸不全を起こす可能性があります。 1:肺炎
肺胞性肺炎:終末細気管支の先端部に着いている、肺胞という空気を溜める袋に細菌が入り、炎症を起こす病気です。肺胞には膿のような痰、分泌物が充満するので空気が入りません。このため、せっかく気管支まで空気を吸い込んでも、そこから先の肺胞→間質→赤血球と酸素が移行せず、呼吸不全を起こします。肺炎の原因となる代表的な細菌は肺炎球菌です。
間質性肺炎: 肺胞の壁である間質が炎症を起こし腫れて分厚くなる病気です。間質が分厚くなると、酸素が肺胞から血管側にしみとおりませ |
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ん。このため赤血球に酸素が届かず、酸素欠乏、呼吸不全の原因となります。間質性肺炎の原因は、マイコプラズマ、オーム病のリケッチアなどの微生物、抗ガン剤やインターフェロンなどの薬物、癌治療に使われる放射線、アレルギーなど様々です。感染症は、抗生物質で治療し、その他は原因がわかればそれを解消します。なお、原因がわからず急速に進行し、致命的になる特発性間質性肺炎や肺線維症などもあります。こちらは、ステロイドなど炎症を抑える薬で治療します。 2:心不全
心臓は血液を送り出すポンプです。このポンプが故障すると、血液が滞り肺が充血します。すると血液中の水分が肺胞へもれるため、肺が水浸しになります。結果として、肺胞性肺炎と同様な呼吸不全を起こします。なお、ここまでひどくない場合でも肺の血管がうっ血すると、間質に水が漏れて間質性肺炎に近い状態になったり、水圧が上がって酸素の浸透が悪くなり呼吸不全の原因となります。基礎疾患の治療と利尿剤が使われます。
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