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呼吸不全とは?

 呼吸とは、体に酸素を取り込み二酸化炭素を出す作業です。具体的に言うと、まずは鼻から空気を吸い込んで、それを気管支から肺へ送ります。そこで酸素を血液に取り込み、老廃物の二酸化炭素を血管から肺胞へ戻します。(ガス交換) 最後に肺の二酸化炭素を再び鼻から吹き出します。呼吸不全とは、この作業のどこかがうまくいかず、体の中(血液の中)に酸素を充分取り込めなかったり、二酸化炭素が体内にたまってしまうことです。
 上記の説明から4つのステップがあることが理解できます。
@空気を肺に取り込む
A肺で酸素を血液に取り込む
B血液から肺へ二酸化炭素を取り出す
C二酸化炭素を体外にはき出す
 このうち二酸化炭素は血液から肺へ移行しやすいのでBのケースはほとんどありません。このため、@、A、Cのどれか1つか2つ以上組み合わさった呼吸障害が呼吸不全と呼ばれます。

 @は、喘息やCOPDなど、Aは肺炎(肺胞性肺炎、間質性肺炎)など、Cは結核の後遺症や、太りすぎでお腹がつかえて深い呼吸ができない場合です。
 呼吸不全では体が低酸素状態になります。(一部、高二酸化炭素状態)酸素が不足すると全身の細胞の健康が失われ、あちこちに不都合が生じます。頭が痛くなったり気持ち悪くなり、心臓がドキドキしてむくみます。空気の薄い標高の高い山で起こる高山病が酸素欠乏症状の典型です。呼吸不全は十分な酸素が空気中にある低地なのに高山病にかかった状態ととらえてもよいでしょう。
 それでは高山病にかかったらどのように対処するのでしょうか?まずは、原因となる高い山から低地に下りること。もし高い山にとどまるなら酸素を吸うことです。平地で起こった高山病の治療も同様に、原因疾患の治療をすることと、必要に応じて酸素を吸入することです。
 一般的には呼吸が苦しい状態、息がしにくい状態が呼吸不全で間違いありません。それでは詳しく見ていきましょう。







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