背部痛を起こす内科疾患

解離性大動脈瘤
 図イ、ロのAが太い大動脈です。胸の上の方で前から背中側に伸びて腹へと下ります。前側の大動脈が裂けると胸痛、背中側で裂けると背部痛を起こします。血管が引き裂かれる痛みなのでただごとではなく、我慢せず医療機関に直行される人がほとんどです。痛みの特徴は血管を流れる血液に沿って裂けていくため、縦に痛みが移動していきます。
狭心症・心筋梗塞
 心臓の痛みは主に「胸(前側)が押される感じ」と表現されます。しかし、背中や肩、首、腕に痛みが広がるとおっしゃる方もあり、一様ではありません。特徴は狭心症なら安静にしていると10分以内で治まり、心筋梗塞なら30分以上続き来ます。心筋梗塞の痛みは尋常でないことが多いので、たいがいの方はすぐ医療機関を受診します。

逆流性食道炎(胃食道逆流症)
 心臓の裏側に寄り添う臓器なので心臓の痛みと間違えられます。心臓カテーテルをやったけど異常がなく、心臓の薬を飲んでも良くならないと言った方に良く見られます。
 ゲップがよく出る、酸っぱい水が上がる、口が苦い・くさいなどの胃からの逆流がイメージできる特徴が胸の痛みに加わります。また逆流しやすい状況、例えば食事を食べた後、横になって寝たとき、お腹が圧迫される姿勢を取ったときに背中の痛みがでます。太ると痛みが強まるのも特徴的です。胸が焼け付く感じがした、胸や背中がチリチリするなどもこれです。
 胃酸の逆流が痛みの原因なので、水を一口飲んだらスッと痛みが消えたなどが胃食道逆流症の典型です。






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