すこやか生活

背中、腰と内蔵の位置関係

 背中・腰と言っても患者さんによって指し示す場所が異なります。話を聞くと腰が背中の高さだったり、背中がお尻の付近だったりすることがあります。
 体の前面は、上部が胸、下部が腹と呼ばれます。おおむね、肋骨に覆われている肺や心臓、食道のある部分が胸で、みぞおちから下、横隔膜より下が腹です。腹には、胃腸、肝臓、胆嚢、膵臓、腎臓、脾臓、そして泌尿器(膀胱、前立腺)、女性器(子宮、卵巣)があります。
 裏側の腰・背中もおおむね横隔膜の高さで分けてみましょう。すると、背中に関係のありそうな内臓は、肺、心臓、
食道、腰の部分に相当する内臓は、肝臓、腎臓・尿管、膵臓、脾臓、胃腸などで、特に下線の臓器は体の後

ろ側にあり、背中や腰と関係の深いものです。なお、背骨のそばにある大動脈(胸部大動脈、腹部大動脈)は内臓とは言えませんが、内科の守備範囲なのでここで取り上げておきます。
 背骨は首から尻尾までつながっており、胸の部分は胸椎、腰の部分は腰椎と名前で分けられています。胸椎は肋骨がついている背骨、腰椎は肋骨が付いていない背骨です。胸と腹の分類と同様です。ところで体の裏側の筋肉は、背中から腰へ繋がっているものが多く、背中と腰にすんなりと分けられません。このため、体の裏側で、縦に広い範囲にわたる痛みがある場合は筋肉の可能性があります。前から見た大まかな図をお示しします。






2ページ目以降のCT図と臓器の配色、位置関係は概ね一致しています。

背中、腰と内蔵の位置関係 |
胸と背中の間の臓器 腹と腰の間の臓器 |
背部痛を起こす内科疾患
筋肉痛による背部痛・腰痛|
腰痛をきたす内科疾患