すこやか生活

ストレス反応とは?

 心や体にかかった負担をストレスと言います。病気や仕事、家庭や学校、人間関係など、現代社会に暮らす限りストレスのタネは尽きません。これらの負担に適応するため、体や心に生ずる防御反応をストレス反応と呼びます。防御反応と言っても、内臓、血管、皮膚、ボディの筋肉、細胞まで様々なレベルで起きます。同様に、心の反応も一様ではありません。具合が悪いとき「ストレスが原因ですか?」と、質問される人がいます。しかし、ストレスと断定するのは簡単ではないため答えに窮します。このように、多岐にわたり漠然としたストレス反応ですが、大きく分けて2つのタイプがあります。"攻めのストレス反応"と"守りのストレス反応"です。
 ストレスがかかったとき、それを克服しようとする積極的な心身の対応が"
攻めのストレス反応"です。これに対し、ストレスがかかると、何とかして回避しようとする逃げの対応が"守りのストレス反応"です。攻めと守りは主に交感神経と副交感神経という神経の働きによってつかさどられます。これらの神経は、比較的瞬時にスイッチが入ったり切れたりして日常の生活のリズムを形成しています。ところがストレスが大きいと、どちらか一方の神経のスイッチが入りっぱなしにな

り、心身が一方向へ傾いてしまいます。このアンバランスが病気につながるストレス反応の正体です。華々しく戦っている様を「攻守ところを変え」などと表現します。ストレス反応の攻めと守りの切り替えも適度であれば問題ありません。しかし、あまりにも急激で大きな切り替えを繰り返すと心身は大きなダメージを受けます。主な攻守のパターンを図にしました。
 図のように、心身にかかったストレスの情報は脳の視床下部という体の生理機能やホルモンの元締めと言うべき部分に送られます。そこで攻めか守りのどちらの反応を起こすか決められます。攻めの反応指令は交感神経を介して心臓や肺へ伝えられ、酸素をぞんぶんに体に取りこんでストレスと戦う体制が築かれます。心臓がドキドキしたり呼吸がハアハアするのはこのためです。生体防御もいきすぎると、狭心症などの突発事故につながります。逆に守りの反応指令の場合は副交感神経を介して情報が伝達され、胃酸分泌が増したりお腹がゴロゴロするなど胃腸の働きが活発化します。また、心(こころ)が逃げの一手を打ち、うつ病へ閉じこもろうとします。攻めと守りの反応はこれ以外にも色々ありますが、代表的な考え方のイメージをつかんで下さい。








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