すこやか生活

肩こりと僧帽筋

 こう書くと、とても難しく思えますが、肩こりのほとんどはズバリ、「僧帽筋の問題」です。背中側から僧帽筋を眺めると、筋肉の中央は首スジの裏側から背スジを腰の近くまで下がり、外側は肩甲骨の肩側の端まで達しています。背骨の真ん中から肩まで広がるので、肩甲骨の裏側の大部分を包むように覆っています。その他の小さい筋肉は、僧帽筋を一枚めくると、その下に現れます。僧帽筋は、頸を支え、後ろにそらし、腕を後ろに引く働きをしています。図のように肩から背中の広い部分を占め、しかも最も皮膚側にあるため、肩こりを揉みほぐすのも、湿布を貼るのも、みな僧帽筋に対しての治療です。
 僧帽筋を流れる血管は弁が無くうっ血しやすいことも知られています。

 肩は、体幹(ボディ)と腕をつなぐ部分ですが、人によってどこからどこまでを肩と呼ぶのか曖昧です。腕は足と違い、ボディから直接つながっていません。胸板から鎖骨、肩甲骨、そして上腕骨(腕)へと2つの骨と3つの関節を介して、ボディから腕につながります。骨盤から股関節一つで大腿骨へとつながる股関節とは対照的に、肩が複雑な構造になっている理由は、可動域を広くとり、様々な方向、回転の動きに応じた作りとなり、より複雑な動作に対応するためです。肩は、足と比べると数多くの小さな筋肉で成り立っています。これは、少しずつ様々な方向へ動かすためです。複雑さ故に、様々なトラブルが起きます。野球の選手が肩を壊す、50肩ほか、肩の傷害は枚挙にいとまがありません。
 肩こりも肩の傷害の一つで、色々な筋肉や関節に問題が起きている可能性があります。僧帽筋、肩甲挙筋、大菱形筋、小菱形筋、頸半棘筋、頸板状筋、頭板状筋、棘上筋などの筋肉に傷害が起きているとされています。(図参照)






僧帽筋

大菱形筋

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