すこやか生活

第10巻3号 

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腰痛と内臓の病気

 腰に近い部分、つまり腹部で背中側にある臓器の代表が腎臓と膵臓です。これらの臓器に問題が起きると腰に痛みを感じることがあります。
A)腎臓病:背骨の中央から10cm横も左右一方に痛みを感じます。
尿路結石(腎結石・尿管結石
 腎臓でできた石が尿管へ落ち、膀胱に到達するまでに引っかかると、石のある場所や腎臓に痛みを感じます。尿に血が混じり赤や褐色になります。
腎盂炎(腎盂腎炎
 膀胱炎を起こした雑菌が、尿管をさかのぼり腎盂へ達して化膿性の炎症を起こします。たいがい38℃以上の高熱を伴い、吐き気などもでます。肺炎同様の重症な病気ですが、近年は抗生物質が進歩し、外来でも治療可能です。

B)膵臓病:胃のウラから背骨にかけて痛みを感じます。膵臓病は怖いと言いますが、一番背中側にあるので病気の発見が遅れることも怖さの一因です。なお膵臓病は皆さんが考えているほど多い病気ではありません。私の診療所でも一年に1人いるかいないかのまれな病気です。
急性膵炎:強い腹痛と背中の痛みが特徴です。大量の飲酒や胆石が膵管に引っかかって炎症を起こします。
慢性膵炎:急性膵炎をくり返し膵臓が傷んだ結果、消化酵素分泌が減り消化不良や腹痛が長引く病気です。
膵臓がん:できる場所にも寄りますが、頑固な腹痛や腰の痛みがなかなか治らず悪くなってから発見されます。広がっていて、発見時すでに手遅れのことが多く治療が困難な怖いガンです。






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