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腰痛を訴えられる方がよくいます。自分ではあまり感じたことがない痛みなので、きっと背骨のあのあたりが痛むのかなと想像するや、全くちがう場所の事があります。
一口に腰といっても広く、人により指す場所は様々です。背中と呼ぶべき胸の後ろから、お尻の筋肉あたりまでの広い範囲が腰と呼ばれるため、具体的な場所を指し示して頂かなければ、どこだかわかりません。我々が腰と呼ぶ場所は、骨盤の上から肋骨の一番下あたりの背中側です。理由は、腰椎と呼ばれる5個の背骨がある場所だからです。腰椎の上は胸椎、下は仙骨と呼ばれる背骨が連なっており、こちらはそれぞれ背中、お尻と呼ぶのが妥当です。
人の体は様々なパーツでできています。腰も同様で腰椎だけがパーツではありません。腰椎の間にはクッションとして椎間板と呼ばれる軟骨が挟まっていて、腰椎の中心には脊髄という神経の束が通っており、椎間孔と呼ばれる隙間から末梢神経が伸び出ています。
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腰と呼ばれる部分は体を支え姿勢を保持したり、歩くのに必要な筋肉がついており体の中で太股(ふともも)とともにもっとも筋肉が多い場所です。筋肉は脂肪と皮膚に取り巻かれています。
内臓で腰と呼ばれる部分にある臓器は左右一対の腎臓と、腰では比較的上に位置する膵臓です。その他背骨のすぐ前には大動脈が走っています。
これら腰椎(骨)、脊髄、末梢神経、筋肉、皮膚、腎臓、膵臓などに炎症や腫瘍、外傷などが起こったときの痛みが腰痛と表現されます。いかがでしょうか?こう書くとご自分の痛みはいったいなんだろうと混乱しそうですね。そのとおり。われわれ医師も腰痛がありますと一言いわれても、何の事やらサッパリわかりません。丁寧な診察や検査によって、これら1つ1つ区別しているのです。腰痛を感じたら、一言で片づけるのではなく、どこがどのように痛いのか具体的に医師に伝えてください。一日中痛むのか起きているときだけなのか、前かがみや特別な姿勢で痛むのかも有意義な情報です。
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