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消化器管は口から、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸を経て肛門へ続きます。これらの消化管も肝臓と同様に余裕があるので、加齢による機能低下は比較的軽度です。しかし加齢による変化の兆しは必ず見られるもの。上から順にまとめます。
食道:年齢とともに食道の運動機能は低下します。しかし、食べたものが食道に停滞してつかえることはありません。むしろ、下部食道括約筋がゆるんだり、横隔膜の食道裂孔が開いてしまい、胃食道逆流症による胸焼けをよく見かけます。ゆるんだ括約筋や食道裂孔を元通りにすることはできないので、胃酸を抑えるPPIやH2ブロッカーを服用して症状を取ります。 食道の機能とは異なりますが、高齢者は食べ物を、ノドのところで、気管でな
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く食道へとうまく振り分けられず、誤嚥を起こします。原因は、主に脳梗塞によるノドの筋肉の運動マヒです。
胃・十二指腸:胃酸や消化酵素の分泌は加齢によっても低下しません。しかし、粘膜が薄くなること、動脈硬化による胃の動脈の血流障害、ピロリ菌の感染率が高いことなど、高齢者は胃潰瘍になりやすいと考えられています。また、腰痛や膝関節痛など、体のあちこちの痛みに対してNSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛剤を飲む機会も増え、潰瘍の発症を助長します。長年萎縮性胃炎の状態が続くため、胃ガンになりやすいことも知られています。
小腸・大腸:小腸は元々病気が無く加齢性の変化の有無もあまり調べられていません。大腸も加齢による機 (4 ページに続く)
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