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腎臓の主な働きは次の4つです。
@体内の老廃物や毒物の尿への排泄処理
Aレニン・アンジオテンシンを介した血圧調節
B水分、塩分、酸・アルカリの調節
C赤血球を作るエリスロポエチンというホルモンを生産する
これらの働きを通して、体の血液循環や、血液の浄化、水分量やその成分を調節しています。血液は腎動脈から腎臓へ流れ込み、糸球体と呼ばれるフィルターを通ったあと、腎静脈へ流れ出ます。フィルターで濾し出された余分なものは尿として出てきます。
腎機能が落ちるとは@〜Cの働きが不十分になることを指します。このうち@、Aは糸球体というフィルター本体の機能で、B、Cは尿細管や間質といわれる、フィルター外の部分の働きです。
さて、高齢者では血管の動脈硬化と同様にフィルターが目詰まりする糸球体の硬化が生じます。80歳ではおよそ、1/4が目詰まりを起こしていると言われています。部分的に目詰まりしている糸球体もありますので、それを計算にいれると糸球体の濾過量は若年者の半分近くまで下がっています。糸球体濾過量(GFR)は測定が面倒なので、代用できる血中クレアチニン値が腎機能障害の指標として測定されます。加齢に伴う腎機能低下が明らかになってくるとどのような症状や変化が出てくるでしょうか?
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@〜Cの働きに沿って見てみましょう。
@クレアチニンといわれる、尿毒素の指標が血液中に溜まり、高値を示します。
A血圧の調節が不十分となり高血圧になっていきます。
Bすねがむくんだり、朝起きた時、顔がはれぼったくなります。
C出血もないのに貧血が進みます。
(予防と治療)
@なかなかうまい予防や治療法はありません。糖尿病や高血圧など糸球体に悪影響を及ぼす病気をきちんと治療しておくことが大切です。フィルターの目詰まりを洗い流す薬はないので、尿毒素がひどく溜まってきたら、人工透析を行います。
A血圧が上がってきたら、レニン・アンジオテンシンの昇圧作用を解消する、ACE阻害剤やARBと呼ばれる降圧剤を服用します。血圧が上がらないように塩分摂取を制限することもよく行われます。
B水分や塩分の過度の摂取を控えます。尿細管から水や塩分を尿へ引き出す利尿剤もよく用いられます。
Cエリスロポエチンは飲み薬がありません。貧血が全身に負担をかけると考えられる場合は、エリスロポエチン製剤の注射を行います。このホルモン剤はクレアチニンが正常上限の2倍以上(2.0mg/dl)の場合、使用が認められています。
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