すこやか生活

肩のつくり

 肩のつくりと書いて早速困りました。それは人間の関節の中で最も複雑な構造をしていて、関節の可動域(動く範囲、角度)が最も大きい部分だからです。その中で大切なパーツを順に説明します。
鎖骨
 胴体と腕をつなぐ唯一の骨で、腕に力と安定性を加えています。胸板との関節をテコの支点として、肩甲骨の働きも助けています。首から腕への神経や血管の通り道にあり、これらを上から覆い守っています。大切な骨ですが、もしやむを得ず折ってしまっても何とか腕を動かすことができるので、肩関節の名脇役と言ったところです。
肩甲骨
 胸の背中側にある三角形の平べったい骨です。平べったいのはその表面に筋肉がベタッとくっついているからです。その他の細長い骨と違って重力を支えたりする骨ではなく、筋肉の海に浮かんで、その動きに身を任せながら様々な方向の動きに対して支点の働きをする、とてもユニークな骨です。

上腕骨
 肩から肘にかけての太くて長い骨です。肩関節の部分は丸くなっており、腕が様々な方向に自由に動きます。
僧帽筋
 肩甲骨の背中側にあり、背骨、肩、首と背中の広い範囲に渡って広がり、首を支えたり肩甲骨をぶら下げています。肩甲骨は、他の骨の支えもなく、その先端に重たい腕がついているので、僧帽筋はテコの原理の逆パターンで常に収縮をしいられています。この緊張のしすぎがたたると、肩こりになります。
三角筋
 筋肉注射をする肩の少し下側の筋肉です。腕を外側に振り上げる働きがあります。
上腕二頭筋
 力こぶを作る筋肉です。
大胸筋
 前胸部にあり、腕を前に振る筋肉です。胸肉といってよいものです。
 だいたいこのくらいを頭にいれておいて下さい。






50肩

 40肩、50肩は、その年齢になると肩を壊すという意味ではありません。50肩の正式な病名は、肩関節周囲炎といいます。つまり、肩関節の周囲、すなわち取り巻く筋肉に傷が入ったり炎症を起こすことです。痛みは、傷めた筋肉などの傷に沿って発生します。肩は前述のとおり、腕を上げる、下げる、前へ出す、後ろへ出す、内側にねじる、外側にねじるなど本

当に様々な方向へ複雑に動きます。この動きを応援するためにたくさんの筋肉が肩関節の周囲の鎖骨、肩甲骨、上腕骨に付いています。ヒトの運動の中で足についで力強い動きが可能な腕なので、どうしても筋肉の限界を超えて力を入れてしまうこともあります。若い頃はできた強度の運動を、50歳のくせに年甲斐もなくやってしまい、エ

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