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2)神経鈍麻
 痛みを感じ無くなったり、痛みに鈍くなること。痛みを伝える神経の軸索(電線部分)がこわれたり切れて、神経伝達がうまくいかない場合です。糖尿病性神経症などがその代表で、ぶつけても感じないため、あちこち生傷だらけになります。また、皮膚が壊れて潰瘍になったりしても、痛みをあまり感じないため、知らず知らずのうちにあちこちの組織が傷んでしまいます。
 神経は正常でも、脳の痛みを感じる場所が壊れていると、痛みの原因となる体の異変には気づかず、気がついたら指が一本もげそうになっていたなどということもあります。
 時に鈍い痛みのような感覚を覚えますが、特徴的なものはありません。脳の中の知覚中枢だけ壊れる脳梗塞などでは、ある日突然感覚が無くなるといった症状の出方をします。
 神経の電線が切れている場合、抹消では再生する場合もありますので、その再生を促す意味でビタミンB12などが処方されます。しかし、ビタミンB12はよく効いたと実感がわくほどでないのが玉に瑕です。脳梗塞などでは、今後同様なことが起こらないように血液をサラサラにする薬などが処方されます。

3)異常知覚
 しびれの代表と言いましょうか、ありもしない不愉快な感覚を覚えます。ピリピリする、ジンジンする、ビリビリする、チリチリするなど様々な表現で訴えられます。これらのしびれは、原因となる刺激がないのに、何か不快な刺激を受けたように感じることです。神経の電線には、所々途切れ途切れとなったビニールテープの様なものが巻かれています。このテープは髄鞘と呼ばれ、このテープが剥けて軸索がむき出しになってしまった状態を脱髄したと言います。脱髄すると神経の電線が裸になるため、様々な刺激を拾ったり、そこで細かい電気的なスパークが起こり、常に不快な感覚を覚えます。これが、ピリピリしたりジンジンする仕組みです。ジンジンするのはむき出しの神経がリズミカルに異常興奮している状態です。正座をすると、足がジンジンしびれるのは、足に行く神経が、一時的に圧迫されて軽い脱髄を起こし、その神経が異常興奮していると考えられます。こちらは一時的なので、圧迫の解除によって感覚は元に戻ります。手首の内側の手根管に炎症を起こし、そこを通る神経を圧迫し、しびれを起こす手根管症候群や後述する胸郭出口症候群も同様です。手術などで圧迫を解除すれば、しびれは消失します。






胸郭出口症候群

 腕に伸びる神経は頸椎の間の隙間から出て、前斜角筋、中斜角筋と鎖骨、第一肋骨の間を通って指先の方へ進みます。この神経と平行して、動脈、静脈も走っています。(図)この狭い通り道の中で腕に行く神経(黄色の線)が圧迫され、指先のしびれや脱力感を感じることを   

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