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子供の頃、朝礼や運動会で校長先生の挨拶が長引くと、のぼせて倒れる子がよくいました。これを、「貧血で倒れた。」と説明されることが多いため、立ちくらみ、めまいを貧血と混同している方がおられます。貧血は、血液中の赤血球数や、その成分蛋白のヘモグロビン濃度が低いことを指します。俗に言う、血液がうすくなった状態です。もちろん、うすくなるだけではなく、血液の量が少なくなっていることを指す場合もあります。血液がうすくなると酸素が体の隅々、特に、脳や心臓に充分供給されないため、頭がボーっとしたり、心臓がドキドキします。時にめまいや立ちくらみを起こすことがあるため、よく混同されますが、貧血はめまい、立ちくらみの原因の一つにすぎません。朝礼でのぼせるのは、たいがい暑さで皮膚の血管が開ききってしまい血圧が下がるからです。話が退屈だと副交感神経(2ページ参照)が活発になり、血圧の低下に加え、眠気や吐き気をもよおします。「水は低きに流るる。」の、格言どおり、血液も立ち上がると頭から足の方へ下がろうとします。しかし、交感神経の働きで、足の血管などが収縮して、下がってこようとする血液を頭の方に押し上げて上半身、特に頭の血圧を保ちます。この働きがうまくいかないと立ちくらみがします。また、血圧が低り
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すぎると、交感神経がキチンと働いても、頭に充分血液を送り込むことができなくなり、立ちくらみがおこります。ひどい脱水状態など、血管内の血液量が不足するときがこれです。嘔吐やひどい下痢、朝食を食べないで炎天下に朝礼で立っているときなどが典型例です。昔の人は、これを脳貧血と呼びました。この言葉は医学用語ではありませんが、言い得て妙ですね。しかしこの言葉で貧血と立ちくらみ、めまいを混同する人が増えたのも事実です。名言にも功罪ありと言えましょうか。めまいはグルグル回ったり、フワフワする症状を言います。体のバランスを取っている、耳の奥にある内耳の、三半規管や前庭部、そして、小脳や脳幹といった脳の異常で起こります。内耳の内リンパ腔が水膨れするメニエール病、頭の向きによってよって起こる良性発作性頭位めまい、風邪に引き続き、おう吐を伴う前庭神経炎などが内耳周囲のめまいの代表です。その他、中、高齢者に多いのは、血流障害の原因になる一過性脳虚血発作や脳梗塞などが、体のバランスを取っている脳の部位に起こるものです。朝起きたときにいつもと違ってフラフラしたり目が回ったりします。このような方は、循環障害の予防を日頃から行うことが大切になります。
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