最近の不整脈の治療方針

 我々の若い頃は不整脈を見つけると鬼の首を取ったような気になり、大概治療を始めていました。ところが最近は心臓発作(失神も含む)の原因にならないものは無害なことも多く、かえって不整脈の薬自体の副作用が問題になることもあり、不整脈があるからといって積極的に治療しないことが多くなりました。
そこで不整脈を見つけたら
@どんなタイプのものがどれくらいの頻度でいつ出ているかなどを24時間ホルター心電図で確認し、必要に応じて治療します。
A心筋梗塞や心筋症、心臓弁膜症など不整脈の原因になる心臓病がないかチェックする。また、甲状腺機能亢進症など心臓病以外で心臓に悪影響を及ぼす病気がないか調べます。そして、原因になっている心臓病や他の病気が明確になったらそれを中心に治療を始めます。

B @、Aに当てはまらなくても動悸の自覚症状が強い場合は治療することもあります。この場合、大概心拍数を抑える軽い薬が有効なことが多いようです
 抗不整脈剤が治療の中心になりますが必ずしも選んだ薬がぴったりくるとは限りません。試行錯誤が必要ですので治療を始めたら、動悸などの症状が消失したかどうかをお知らせください。
 また、心房細動や心臓内で電気系統がショートしているような不整脈では心臓カテーテルを通してショートしている部分を解消するような治療も行われています。この場合は大がかりになるので入院できる施設で慎重に行って頂くことになります。

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 最近の不整脈の治療方針