タバコと肺ガン

 タバコを吸うと肺ガンになりやすいことは皆さんご存じのとおりです。一般に若い頃から長く吸い続け、しかも本数が多いほど肺ガンになりやすいとされています。この関係は喫煙指数と呼ばれ、以下のように計算されます。

喫煙指数=(喫煙年数)x(一日の本数)

 これが400を超えると要注意です。400というと、20本を20年吸い続けた勘定です。受動喫煙も安心できません。喫煙する夫を持った妻は、タバコを吸わない夫を持つ妻より肺ガンの発生率が高く、しかもたくさん吸う夫を持った妻ほど肺ガンになりやすいことが実証されています。
 さて、喫煙によってできる肺ガンは気管支の根元に近い扁平上皮が癌化する
扁平上皮癌が主流でした。皮膚癌、食道癌、喉頭癌などと似た癌細胞です。ところが、最近では、気管支の先っぽに付いている肺胞細胞由来の腺癌と呼ばれるガンが喫煙者に増えてきました。これらは低ニコチンのフィルター付きタバコが普及したことが関係あると

考えられています。それは、普通に吸うとニコチンの量が少ないので、たっぷりニコチンを摂ろうとして、強く深くタバコを吸い込むため、フィルターに引っかからない小さな粒子の発ガン物質が気管支を通過し、奥深い肺胞まで入ってしまうからなのです。これでは、健康のためニコチンやタールの少ない軽いタバコにしているという言い訳も、あまり根拠が無いと言えましょう。なお、禁煙すると、
10年で肺ガンになるリスクが30%〜50%ほど低下すると考えられています。肺ガンは、胃ガンや大腸ガンなど消化器系のガン、近年増加傾向にある前立腺ガンや乳ガンなどと比べると死亡率も高くたちが悪いガンですので、タバコを吸っている方は是非一日でも早く禁煙して頂きたいと思っています






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