前立腺癌

　前立腺癌は、高齢化と生活習慣の西洋化によって、日本では増加の著しい癌の１つです。癌の中では比較的おとなしく、進行がゆっくりなので、高齢者で発生してもそれが死因につながるとは限りません。他の原因で亡くなるまで、癌を持っていることにさえ気づかなかったりするのです。
　さて、前立腺癌は前立腺肥大を母体にするため、特徴的な症状はありません。排尿障害など前立腺肥大の症状が発見のきっかけになります。また、前立腺肥大があるときは前立腺癌のマーカーであるPSAを定期的に調べると癌化してきて

いるかどうかわかります。超音波検査や、CT、MRIなどの画像診断も診断の助けになりますが、決め手は前立腺に針を刺して細胞を取り、顕微鏡で確認する針生検です。
　前立腺癌の治療はホルモン療法、手術、放射線療法があります。他の癌と比べ対象者が高齢者であることと、無治療でもゆっくりしか進まないため、最近では手術を選択するよりも、ホルモン療法などが中心になっています。