主な運動の種類
運動には大きく分けて3つあります。ストレッチや体操などの筋肉や関節を柔らかくする運動。筋肉トレーニングのように、筋肉を鍛えて強くする運動。そして、酸素を吸って体の糖分や脂肪分を燃やす有酸素運動です。これらの意味合いをまとめてみましょう。
1)ストレッチ体操 ストレッチは筋肉の緊張を弛め、血の巡りをよくします。また筋肉痛や疲労物質を解消するため、体の柔軟性を増すばかりではなく疲労回復にも役立ちます。このため、筋トレや有酸素運動を行う前の準備体操や整理体操としても有用です。体の芯や各関節を伸ばしたり曲げたりしながらゆっくりと行って下さい。初心者の方は無理をせず、ラジオ体操をしたり屈伸運動などがストレッチとしてよいでしょう。体の中心か
ら、手足の根元、先と順番にのばしてゆきましょう。最初から反動をつけて思いっきり伸ばすと、関節や腱を傷める可能性があるから要注意です。また、リウマチや五十肩の初期など痛みや炎症が強いときは、無理をしないで医師などに相談して下さい。なお、1つの筋肉に対して20秒〜30秒程度同じ姿勢を保持すると、よく伸びます。
2)筋肉トレーニング 息を止め、グッと力を入れる運動がその代表です。ベンチプレスや、鉄アレイ、ゴムやバネを使ったエクスパンダーなど、身近な道具や腹筋や腕立て伏せなど自分の重力を筋肉運動の抵抗として使って筋肉を鍛えます。若い方は、たいてい大きな問題はありませんが、中高齢者では、筋肉を傷めたり、急激に血圧が上がり心臓発作(狭心
症や心筋梗塞)を起こすことがあるので注意が必要です。激しい筋トレは無酸素運動となることが多いため疲労をため込むこともあります。このためトレーニングの前後には必ずストレッチなどの準備体操や整理体操をしましょう。なお、高齢者は立位や歩行訓練などのリハビリ以外は無理に頑張らない方がよいでしょう。これからスポーツ選手になるわけではないので。
3)有酸素運動 身体運動をすると一般に肺や心臓が呼応して筋肉に酸素を送り込み、酸素1リットルあたり、5kcalの糖分などのエネルギーを燃やします。人は体に脂肪などのエネルギーを蓄えているので、空気中の酸素を吸っていれば、数日間食べなくとも活動し続けることが可能です。こうした持続的な活動を効率的に支える運動を、有酸素運動と呼びます。一般には"低強度・長時間運動"を指します。代表はウォーキングやジョギング、サイクリング、水中歩行などです。
有酸素運動は運動の強さとともに単位時間あたりの酸素の消費が増えます。そして、ある強さの運動を2〜3分続けると疲労困憊する強さがその人の有酸素運動の限界点です。これを最大酸素摂取量(VO2max)と呼びます。有酸素運動が限界に達し、無酸素運動の部分が多くなり疲労物質が増加する臨界点です。健康のための有酸素運動はこの限界(VO2max)の半分くらいの強さの運動が適切とされています。