|
|
|
|
|
|
昔、中高生がロックミュージックに熱中すると、親は「あいつも麻疹(はしか)にかかったか。」などと言いました。麻疹に限らず、おたふく風邪、水ぼうそうなどは、昔から子供が育っていく過程で必ずと言ってよいほどかかる病気でした。しかし、最近は予防接種の普及によって、必ずしも皆がかかる病気ではなくなりました。そして、世間での流行も散発的になり、予防接種を受けない人も感染する機会が減りました。このように平和な時代が続いていると、これら病気に対する免疫を持たない人も増えてきます。以前、これらの病気は終生免疫と呼ばれ、一度かかると二度とかからないと考えられていました。ところがしばらく流行しないと、一度かかった人の免疫力も徐々に弱まって、ついには体が記憶を失い、大
|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
人になってもう一度かかる例がまれではなくなりました。15年ほど前、勤務中の病院の研修医がおたふく風邪になりました。おたふく風邪も終生免疫と考えられていたので、今まで一度もおたふく風邪に接することがなかったと仲間に思われた彼は、"箱入り息子"とからかわれました。子供の頃にやったはずだと主張する彼はもちろん不満顔でした。恐らく、一度かかったおたふく風邪の記憶を体が忘れてしまい、再びかかったのでしょう。同じような患者さんがこの冬も数名いました。45歳の男性はお子さんに、60歳の女性はお孫さんからおたふく風邪をもらったようです。子供の感染症が流行っているときは、大人だからといって安心できません。変だなと思ったら、是非、子供の病気も頭に浮かべてください。
|
|
|
|
|
|