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雑誌が情報の中心だったのは遠い過去で、現在は研究の成果はほとんどネットで最初に出てきます。それどころか査読という論文としてふさわしいかの精査が済んでいない論文や、まだきちんとまとまっていない薬の手応えが速報としてどんどん出てくるようになりました。それによると現在までに次の薬が期待できます。 1)リン酸クロロキン:マラリアの薬。100人以上の患者さんに使われ、使用しなかった患者さんと比べ、肺炎の進行(悪化)を抑制し、CTやレントゲン像を改善させ、ウイルス消失を早め、治癒までの期間を縮めました。ある程度重症の患者さんにも効果があった模様。また強い副作用は無しとのことで、次の中国の治療ガイドラインに掲載予定です。 2)Favipiravir(アビガン):新型インフルエンザ用に200万人分日本で備蓄されている薬で、富士フイルム傘下の富山化学が開発しました。北京の専門家は80人に使い、3〜4日目のウイルス消失効果が他剤と比べ明らかに高く副作用も少なかったと発表しました。中国ではCOVID-19に認可され、急造に入りました。日本でも2月22日より、使用が始まりました。また、厚生労働大臣は効果がハッキリすれば先々一般の医療機関でも使えるようにすると同日発表しています。朗報ですね! 3)Remdesivir:エボラ出血熱の治療薬として開発され、まだ実験段階の薬です。今回のCOVID-19では、アメリカで1例使われ明らかに肺炎がよくなったという結果で、中国にもこの薬が送られ治験に入りました。日本でも治検に入
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ると見られています。 4)Ritonavir&Lopinavir(カレトラ):SARS やMERSの時に使われ、急性呼吸速迫症候群(ARDS)の頻度を減らし死亡率を改善した、HIV(エイズ)の治療薬です。今回も中国で多数の患者さんに使われました。現在のところ、早期に使えば死亡率を改善しステロイドホルモンの使用量を少なくできるようですが、使用時期が遅れて進んでくると明らかな効果が無い模様です。 5)抗血清:中国では、肺炎から生還した人の献血から血球成分を除いた液体部分(血漿)を取り出し患者さんに点滴しています。これは、ウイルスに対する抗体が含まれているためです。ある程度重症な方にも効果があったとされ、現在も献血者を募り血清を集めています。 6)Arbidol:ロシアで開発され、ロシアと中国で認可されている抗インフルエンザ薬です。C型肝炎にも有効な薬です。 7)その他:かつて同じRNAウイルスのC型肝炎に使われたRibabirinや、インターフェロンαの吸入、インフルエンザ治療薬のタミフル(oseltamivir)、ゾフルーザ(Baloxavir Marboxil)など、効く可能性のあるものが片っ端から使われ治療の効果の確認を行っています。なんでもやってみるという状況です。 8)支持療法:肺炎や多臓器不全になった場合は、酸素吸入、人工呼吸器装着、膜式人工肺による血液中への酸素の送り込みに加え、輸液や熱冷まし、合併する可能性のある細菌感染予防の抗生剤、心不全の治療、人工透析などありとあらゆる体のサポートが行われています。
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