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そもそも予防接種は、弱者である子供に接種し、感染症をかいくぐり成人まで育むことを目的に行われることから始まりました。大人の予防接種は、自分が感染し発症するのを予防するためが主目的ですが、それに加えて、家族や社会の中の感染源となることを防ぐ目的で接種されることもあります。集団生活がまれだった高齢者が医療施設や介護施設で、集団の中におかれる場合が増えたことも大人の予防接種が見直された一因です。さて、大人の予防接種には概ね次の2種類があります。
1)幼少者に接種しそこなったもの これは、小児期に接種しなければならなかった予防接種をし忘れたり、海外にいて受け損なったものなどです。また、自分が子供時分にはまだワクチン接種が無かったものなども含まれます。様々な問題があって、一時中止されていた予防接種などもありました。 接種し忘れたワクチンに関しては、概ね不足回数を補う形で行います。また、成人になってからの接種は、乳幼児期よりも免疫力が進化しているので、初回接種回数が3回でなく2回でも有効であることがわかっています。 2)成人に接種が必要なもの 過去には1回接種が基本でしたが、近年は2回接種となったり、流行が減って再感染の機会が減り、抗体価が落ちるなど、免疫力が低下し、追加接種した方がよいことが近年わかったものが該当します。また、高齢になり体力が弱り、肺炎などの大病で入院や死亡の頻度を減らす目的で導入されたものなどもあります。
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麻疹:2015年に日本での麻疹の排除がWHO(世界保険機構)で認定されましたが、引き続き海外渡航者が持ち帰って広まる感染と集団発生が見られます。小児の予防接種が徹底されたため、近年、感染者の70〜80%が成人となっています。感染者の多くは未接種者や1回接種者であるため、現在のお子さんと同様に2回の接種が推奨されています。1回接種歴のある方も海外渡航前に2回目を接種しておきましょう。 風疹:2012〜2013年に17,000人を越える大規模な国内流行が起こり、45人の先天性風疹症候群(CRS)の赤ちゃんが生まれました。風疹自体は大病でないため、生まれつき心疾患、難聴、白内障などを起こす、CRSを発生させないことが風疹の予防接種の目的です。妊娠可能な女性の感染は、配偶者など同年代の男性が感染源となる例が多いことがわかり、2022年3月31日までの間に限り、昭和37年4月2日から昭和54年4月1日までの間に生まれた男性(対象世代の男性)が風疹に係る定期の予防接種の対象者として追加されました。これに伴い、風疹の抗体検査を受け、その結果、十分な抗体価がない方、平成26年4月以降に抗体検査を受け、十分な抗体価がないということが判明している方は、国の事業として予防接種を受けることができます。また、これに該当しない31歳〜60歳男性や、妊娠を希望したり予定している女性にも、県の事業として抗体検査や予防接種への助成があります。なお、母子手帳が残っている場合は必ず接種歴を確認ください。 麻疹、風疹以外は次項で。
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