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慢性心不全は、様々な原因で起こります。心筋梗塞などの虚血性心疾患、僧帽弁や大動脈弁など弁膜症、心房細動などの不整脈、心筋症、アルコールや薬物、感染症などの影響による心筋炎、COPDや間質性肺炎などの肺疾患に付随して起こる肺性心、心奇形、また心筋にアミロイドなどの異物が蓄積する代謝性疾患などが一般的な原因です。 慢性心不全は、図のような順で起こってきます。前述の原因で、心拍出量が減って血圧が低下すると、それを補うために交感神経やRAA系が活発になり、一時的に心拍出量が増え、血圧も保たれます。しかし、交感神経もRAA系も、心・血管系など循環系に鞭を打つことになるので、打ち続けると徐々に痛み慣れし、体のバランスを保つためのセンサーがマヒしてきます。 血液が心臓に集まりすぎると、もてあまし気味になります。左心室は血液の充満で徐々に拡大してきます。心臓が収縮し血液を拍出するときの量が多いと負担となり、手に負えなくなります。こうなると、益々、左心室が拡張し、血液が溜まって負担が増えるという悪循環が起こります。 最終的に左室の拡張期圧が上がると、肺静脈、肺の毛細血管圧が上がり、血管から、肺胞や胸腔に水がしみ出て溜まる肺水腫や胸水を引き起こし、息が苦しくなります。これが、心不全の典型な経過です。 原因の除去による慢性心不全の治療: 心臓弁膜症:逆流防止弁の
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機能が失われ、血液が逆流したり、弁が狭くなり血液が流れにくくなっているので、人工弁に取り替えたり、逆流しないように一部縫い合わせるような外科的な治療が行われてきました。近年は一部の治療が内科的なカテーテルで行える様になり、心臓を開けたり、人工心肺をつけるなど大掛かりで体に負担をかけなくても済むことが増えてきました。 不整脈:心房細動は、起こって2年以内など、比較的時間が経っていないものはカテーテルアブレーションという方法で、心臓内で電気的なショートを起こしている部分を焼き切り心房細動を起こさないようにする治療が増えてきました。以前はショートの部分をチマチマ焼いていましたがが、近年は膨らませたバルーン(風船)に通電し、広くまんべんなく焼くことで、焼き残さず綺麗に解消することができるようになりました。房室ブロックなどの徐脈性の不整脈では、ペースメーカーが設置されたり、心室頻拍、心室細動などの危険な不整脈では、埋め込み式徐細動器を入れることもあります。 心臓の負担を取る: 主に、薬物療法ですが、様々なアプローチがあります。心臓が取り扱っている血液(水分)の量を減らす、血液を押し出す力を押し返す血管抵抗(血圧)を減らす、心筋の毒となる薬物やアルコールを排除する、貧血や呼吸機能を改善させ、心臓が頑張らなくても済むようにするなどです。
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