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鎌倉市大船
 山口内科 

腎臓の主な働き

 肝心要(かんじんかなめ)は、"肝腎要"と書かれることも多く、腎臓は、肝臓や心臓と並ぶ、重要な臓器と考えられています。腎臓は左右にあり、各々100150g程度です。1500g程の肝臓や脳と比較して、2つ合わせても腎臓は体重のたった0.3%と小さいにもかかわらず、心臓から拍出される血液の2025%を受け、非常に血流量の多い臓器です。これは、腎臓が血液をろ過し、老廃物や水、塩分などの排泄を行ってるからです。腎臓は単に血液を濾しているだけではありません。腎血管の最末梢部と言える糸球体で一度濾し出した原尿と呼ばれる血液の液体成分を、尿細管で必要なものと不要なものと選り分けて、再度血管内へ吸収しています。この、ろ過、再吸収という2つの過程によって、血管内の成分を調整し、ひいては細胞外液全体、そして細胞内の成分の組成を調整し、体内のバランスを整えています。(恒常性の維持)血管、糸球体、尿細管の一連はネフロンと呼ばれ、左右の腎臓に各々100万個あります。
 図のように、輸入細動脈を流れた血液を糸球体で水分を濾しだします。濾された液体の原尿はボーマン嚢で受け、尿細管を通って集合管に集まり、腎盂、尿管を経て膀胱へ向かいます。この尿細管、集合管の部分に

は、併走する毛細血管があり、この双方の間に水分や塩分の交換が行われ、99%の水分やNa ,Cl,ブドウ糖など、体に必要な物質が血管へ再吸収されます。また、一部の体にとって過剰な物質は、調整のため、尿細管への分泌(排出)されます。こうして最終的に排泄される尿が形作られます。ろ過、再吸収の過程で体に必要な物質、不要な物質を選り分け、血液成分の調整を行っているのです。
 このほか、腎臓はエリスロポエチンやレニンを分泌する、内分泌器官という働きがあります。エリスロポエチンは、骨髄で赤血球を作るためのホルモンです。レニンは、血管を収縮させ血圧を上げる、アンジオテンシン類(
IIIがある)やNaの再吸収を進め、体の水分を増やすアルドステロンの合成、分泌に無くてはならない物質です。また、カルシウムの吸収を促す、ビタミンDを活性化し、より機能を高める働きもあります。

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