腎臓病と日常生活

 これまで書いてきたように、腎臓病も原因、程度によって様々です。ここでは、腎不全になる前の方に対する一般的な注意を述べます。
1)食事---低タンパク、減塩食
 タンパク質を多く取ると腎障害が悪化することが知られています。タンパク質は分解されると、不要になった窒素(N)は肝臓で尿素になり、尿中に排泄されます。この窒素化合物が貯まると尿毒症の原因になるため、肉や魚を控えることが重要です。程度にもよりますが、健常人の7割程度に減らしてください。そしてその分をでんぷん質などで補ってください。なお、ネフローゼはタンパク質が不足するので、制限する必要はありません。塩分の取りすぎはむくみに繋がりますので、できるだけ控えましょう。目標は健常人の5割です。

2)高血圧の治療を徹底的に
 腎機能が落ちると、血圧が上がります。そして、血圧が上がると腎機能を悪化させるという悪循環に陥ります。腎不全になると、なかなか血圧のコントロールがつかなくなるため、その前にきちんと治療しておきましょう。
3)運動はやや控えめに
 以前は腎臓病というと、安静が治療の基本でした。しかし、最近は運動が必ずしも腎臓を悪くするわけではないという報告が増え運動制限は緩める傾向にあります。しかし、蛋白尿が多かったり、安定していない時期は控えめにすべきです。
  


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