カロリー制限は糖尿病だけではありません。メタボは中高年の血管病の原因となり、体重の増加は、椎間板ヘルニアや椎体の圧迫骨折の原因となり、転倒したときは、腕や大腿骨頸部骨折を起こす遠因ともなります。
1)1日1食は低カロリーの食事を
 1日3食、365日ダイエットに取り組めれば理想ですが、現実的ではありません。そこで、1食だけでもカロリーを思い切り下げてみましょう。具体的には、朝食は8枚切りトーストと、ゆで卵、サラダにすると300kcalです。お昼は、サラダとおにぎり一つだけ、山菜や山かけなど、カロリーの低い具のおそばだけなどです。これなら250500kcalにできます。単身の方で、夕食を下げる場合などは、コンビニのお弁当などのカロリー表示をみて選ぶのもよいでしょう。
2)揚げ物を避ける
 3大栄養素の脂肪、炭水化物、タンパク質で1gあたりのカロリーが最も高いのは、脂肪です。順に、9kcal4kcal4kcalです。このため、脂肪分の少ない食品を食べるとダイエットに有効です。具体的には、揚げ物を避けるほか、ころもを除いて中身だけ食べるなどです。
3)種由来の食品を避ける

 炭水化物の代表、お米や麦は植物の種です。種は次の世代の芽を育むエネルギーを蓄えています。このため皆カロリーが高いモノばかりです。炭水化物ばかりなら問題が少ないのですが、菜種、大豆、ゴマ、オリーブなど、植物油の元はみな種です。同じく、ひまわり、ピーナッツ、アーモンドなど種由来の食品は油を多く含み高カロリーなので、間食を含め避けましょう。
4)カロリーの少ないモノを代替えに
 ドレッシングならノンオイル、ゼリーでなく寒天を、クラゲでなくキクラゲ、サラダに海草をたっぷり入れるなどです。白米にマンナンヒカリ(こんにゃく)を混ぜて炊くと混合量に応じたカロリー削減ができます。これらは食物繊維なので便秘にも有効です。
5)調理器具の工夫
 過熱水蒸気を使う電子レンジやノンフライヤーを使った揚げ物は、食材内の油が中からしみ出て表面の水分が飛ぶのでカラッとした食感の揚げ物ができます。ただし、野菜天はできないようです。6)空腹感を取り戻す
 次の食前1~2時間前に空腹を覚える量しか食べないようにしましょう。お腹が空いている時間帯は、自分の脂肪が体を動かすエネルギー源です。

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