更年期世代の男性の生活

社会的状況:現代の40代~50代の男性は、職場では働き盛りと言われるものの、若い人から突き上げられ、経営者には頭を押さえられるなど、中間管理職的な難しい立場にあります。また、近年は、リストラでなくとも早期退職を募られたり、関連会社へ転籍をさせられたり、定年後の年金支給年齢が引き上げられたりと社会的にも割を食う世代でもあります。加えて家庭では、ローンでマイホームを購入したうえ、子供の高校、大学進学など何かとお金の算段をしなければならず、自分の好きなことをやってストレスを発散する余裕はありません。子供の独立、結婚、また、自分の親の介護やそれを巡る配偶者との人間関係。ストレスの溜まることを数えだしたら、枚挙にいとまがありません。
身体的状況:まれに男性ホルモンであるテストステロンの分泌が落ちている場合がありますが、それを除くと最も問題となる身体的状況は生活習慣の乱れです。これは、
1)運動不足
2)過食
3)アルコールの多飲
4)喫煙
5)メタボリックシンドロームと肥満
6)生活習慣病(高血圧、高コレステロール血症、糖尿病)そしてその結果による虚血性心疾患や
CKD(慢性腎臓病)の合併などです。特に、仕事のつきあいやストレス解消と称して飲み歩いたりしている場合が多く、体重が増えることで

起こる余病、腰や膝などの運動器障害もおきます。また、睡眠時無呼吸症を発症し、日中の仕事に差し障ることもあります。その他、そろそろガンに罹ることも珍しくありません。ガンは早期発見、早期治療が原則なので、検診やドックなどを利用して、手遅れになる前に、発見に努めたいものです。男性特有の身体的な変化として、前立腺肥大による排尿障害があります。このため、夜間を中心とした頻尿が起こり、不眠の原因となります。
精神的状況:社会的状況とかぶり、それがストレスとなります。この逃避行動としてアルコールやギャンブルに走ってしまうことも、まれではありません。
 アルコールは肝臓病(脂肪肝炎から肝硬変、肝臓ガンへの進展)や肥満の原因として有名ですが、濃いアルコールは、口腔ガン、喉頭ガン、食道ガン、大腸ガンなどの原因にもなります。他の人と同じ程度なら、問題は少ないですが、体をこわすほどの量や、朝からアルコールを欲するようなアルコール依存症は危険です。
 ギャンブルははまってしまうと、金銭的なダメージは、計り知れません。宝くじやサッカーくじなどでは、寺銭(胴元に入り遊んだヒトが失う)が
50%、競馬や競輪など公営ギャンブルで25%、パチンコで1015%と言われています。続ければ続けるほど負けがかさむ訳です。現在、特区でのカジノの是非が問題となっていますが、ストレスは別の方法で解消したいですね。

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