非特異的腰痛とは?

 これまで、検査などで原因をはっきりと診断できる腰痛を整理しましたが、実はいくら検査しても原因を究明できない腰痛が8割以上と言われています。この数字は大げさだと思いますが、原因不明の腰痛が多いことは確かです。このような診断がつかなかった腰痛は非特異的腰痛として、ひとくくりにされています。
 原因が特定できないため、根本的な解決策は無いのですが、最初の1ヶ月で軽快傾向を示すので、大過に至ることはまれです。ところが軽くなったものの、3ヶ月、半年、一年と痛みが続く場合も多く憂鬱になります。このころになると、本当に痛いのか、気持ち(心)の問題か曖昧になることも多くなります。
治療と方針)
 原因がわからなくても痛いのだから、なんとかしなければなりません。まず

は、NSAIDs(ロキソニンなど)やアセトアミノフェンなどの消炎鎮痛剤が第一選択です。これを飲んでいるうちに自然に痛みが取れてくる場合が多いようです。筋肉のこわばりが痛みの原因になっていそうな場合は筋弛緩剤(エペリゾンなど)が使われます。その他、心理的な関与がありそうな場合は、抗不安剤(精神安定剤)や抗うつ剤が使われることもあります。最近ではオピオイドと呼ばれる麻薬系の鎮痛剤も使われます。
 非特異的炎症はマッサージが有効なことも多く、さまざまな理学療法も行われます。また、過度の安静やコルセットなどの利用は腰の筋肉が衰えることがあり、勧められません。むしろ、歩くなど軽い運動をして活発に生活する方が早く軽快するようです。

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