最も対象者の多いのがCOPDと呼ばれる慢性の気管支・肺障害です。主にタバコの吸い過ぎで起こるため、禁煙が大前提です。気管支拡張剤などの治療をした上で、まずは呼吸法とタンを上手に出す訓練を行います。口をすぼめて息をはき出す口すぼめ呼吸を覚えます。呼気を出しにくくすることで気管支に圧をかけ、気管支内腔がつぶれないようにします。また、声を出すなど振動を起こし、バイブレーションでタンを気管支から剥がし出しやすくすることを覚えます。COPDは呼吸が苦しくなると、どうしても活動性が落ち、家から出なくなります。このため、足が弱るなど呼吸以外の体の衰えが目立ってきます。このため

益々、運動に耐えられなくなるという悪循環に陥ります。そこで、少しずつ歩くことで、この悪循環を断ち切ります。まずは、平地を6分間歩行し、どのくらい歩けるか評価します。筋肉が落ちている場合は、タンパク質を中心に補助栄養食を含め十分な栄養を摂ります。その上で、ゆっくり、休み休みでもよいので長く歩く努力をします。できるだけ毎日歩いていると、筋力もつき歩きやすくなり、呼吸も上手にできるようになります。初めは6分間に240mしか歩けなくとも続けているうちに270m300mと徐々に6分間に歩ける距離が増してきますので、月に一度ほど6分間歩行をやってみて、身体能力の改善を確認し、励みにしながら頑張りましょう。

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