洞結節で作られたリズムは心房を通り房室結節を介し、右室、左室へと伝わり(→)規則正しい心拍を刻みます。心房細動では、左房へ注ぐ4本の肺静脈にある放電点(★)から右房へ異常電流が襲来し、それが渦を巻きながら居座ります(リエントリー)。このため心房は震え、一部の渦巻き電流が房室結節へと伝わり心室へ向かって、全く不規則な心拍を起こします。 カテーテルを用いて図の緑の輪(O)の様に、心臓の内側から焼却したり凍結する事によって絶縁地帯を設ければ、理論的に渦巻き電流の元となる異常放電は絶縁地帯を通過することができず心房細動は起こりません。これがアブレーション治療です。心房が大きくなりすぎておらず、心房細動発生後2年以内の方はこの治療が成功する可能性が高いようです。また、発作性上室性頻拍症など他のリエントリー関連の不整脈もこれで治療可能なため、根本的な治療として、抗不整脈剤に取って代わろうとしています。 |